猫の日だにゃん・・「アグリー・ベティ 3」 第20回 ラビット・テスト

2010年02月23日

「守護天使」 佐藤祐一 監督

 この映画は「キサラギ」と同じ、佐藤祐市監督なんですよね〜
カンニング竹山が主演ってのが、ちょっとアレだったんですが、かなりおもしろかったです。
 見終わった後、竹山を好きになるとか、かっちょよく見えるということは一切ないですが、
竹山・・わるくないじゃん・・って思ったぞ。
HPはこちら

 須賀啓一(カンニング竹山)はデブでメガネの冴えない中年サラリーマン・・・
人生は辛い事ばかり・・・
 小学生の頃はいぢめに合い、大人になってからは友人の村岡に金を使い込まれたせいでカード破産。
職場でもいぢめが辛くて転職、再就職先は引きこもり青少年の復帰のお手伝いで生傷が耐えない。

 家の中では、相撲取りに押し切られて強制結婚させられた鬼嫁勝子(寺島しのぶ)にしいたげられ、ビクビクしながら暮らしている。
一日のこずかい500円もらうのすら、命がけ・・・
なんとか、日々生きしのいでいるという状態。

 そんな彼が恋をした。
ホームで転んだ時、落した500円玉を拾って、優しく声をかけてくれた女子高生宮野涼子(忽那汐里)に・・
その日から、彼の心には「彼女を守りたい」という感情が芽生え、誰に頼まれた訳でもないのに
密かにその使命を果たそうとする。
 
 そんな時、彼女がネットの罠にはまり、拉致監禁されるという事件が起こる。
須賀は、友達のチンピラ村岡(佐々木蔵之介)と元引きこもりの大和君(與真司郎)と共に命がけで救出作戦に臨むのでした。
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 人生で初めて感じるときめきに戸惑った須賀は村岡に相談する。
「あの子を守りたい・・・この嫌な世の中のすべてから」 
「守るったって、オマエ、その子のこと何も知らねぇだろ?
大体オマエに何ができるんだ?
金がなきゃ飯も奢れねぇし、タクシーで駆けつけることだってできねぇぞ」村岡

 確かにねぇ・・・(  ̄〜 ̄;)
でも、須賀はくじけない。
鬼嫁が寝てる間に通帳を盗もうとしたけど、失敗・・
で、大和君にお金を借りて防護用品を購入して、その日に備えるのさ・・

「ねぇ、何で須賀さんがそこまでやるの?」大和
「・・・大和君は、恋したことあるかな?
俺は40年間一度もなかった。
それが、生まれて初めて恋をした。初恋だ」
 須賀の純な思いに心動かされた大和君は、以前涼子と同じ高校にいた麻美(波瑠)から彼女の情報を得ようと動き出すのョ。

 その後、彼女が作ったことになっているみだらな女子高生ブログに引っかかった
「プロデューサー」が呼びかけ、「ハーベスト」(柄本佑)、「ブッチャー」(日村勇紀)と共に彼女を捕獲しようとしていると知った須賀は村岡に助けを求める。
 んが、代償として金を要求されたんで・・しかたなく村岡が新聞で見つけた「ますらお出版」の10万円のモデルのバイトに出かけるのさ・・

 「ますらお出版」という名前だけで、もうおわかりですね・・
モデルとは、デブ専のゲイのためのグラビアだったのさ〜
撮影が終った後、涙を流しながらバイト代を見つめる姿が哀れだわ・・・
これも彼女のためだ・・

 って、この出版社の編集長役の佐野史郎さんが最高・・
ほどよいいやらしさと胡散臭さがぷんぷん・・・いい味出してたわ〜

 あくまでも見返りを求めることなく、家を出て、職を失ってまで彼女を守ろうとする須賀にイラだつ村岡・・・
でも須賀の心の叫びを聞き、しかたなく付き合ってくれるようになったぞ・・

「俺の手紙を読んでくれたってだけで幸せなんだ!
今まで味わったことのない喜びなんだよ!
だから・・彼女のことは守りたいんだよ」

 雀荘でぐーたら過ごし、たまにちょいヤバな仕事を手伝ってしのいでいるチンピラ村岡が、
徐々にマジになっていく姿がかっちょいい・・・
友情とか人助けとか・・そんな高尚なアレじゃなくて、関わりあったからしょうがねぇってスタンスをくずさないのがいい。
 真性チンピラファッションを粋に着こなし、キレのいい動きでパンチを入れる蔵様にシビレます。

 そして引きこもりだった大和君も、涼子救出に関わっていくうちに、
様々な人間と出会い、変わっていく。
與真司郎君って、失礼ながらこの映画で初めて知ったのですが、個性的なメンバーの中でいい感じになじんでました。
 かわいらしさと男らしさがほどよくて、カンニング竹山や蔵様とタッグを組むには丁度いい雰囲気でした。

 「キサラギ」もそうだったけど、この監督は限られた状況でのキャラの見せ方がうまいよね・・
作戦本部となる雀荘の店長(吉田鋼太郎)、そこに集うスナックママのキムラ緑子さん、
麻雀仲間の豊川(大杉漣)をうまい具合に介入させ飽きさせない。

 それにしても寺島しのぶさん演じる勝子も強烈だったな〜
お父さんが相撲取りってことで、彼女もモンスター並みに強いから
最後に助けにきてくれるのかな〜と思ったんだけど、別の意味でびっくりさせてくれました。

  ラスト近くなり、猟奇的雰囲気が盛り上がるんだけど、ハーベスト役の柄本佑君の演技が軽やかな怖さだから、リズムを壊しません。
 こまかいどんでん返しの繰り返しで、最後までハラハラしながら見ましたわ〜

 カンニング竹山の情けなさは想像以上・・・
ウルトラマンのように正義のヒーローになろうとみっともなくもがく姿が描かれます。
でも、ぶざまであればあるほど輝くのがすごい・・
非常によくできた作品です。

ねこちゃん


同じくカンニング竹山の「ねこタクシー」は挫折したけど、コレは大丈夫!
( ̄∀ ̄)たぶんね・・・ 

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matakita821 at 20:11│Comments(0)TrackBack(1)映画 

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1. 『守護天使』 (上村佑) 感想  [ 書庫の彷徨人 -Wandering Hard Hard Diary - ]   2010年03月06日 12:45
これは面白い。ハゲ、デブ、そして貧乏。思わず我が身を振り返ってしまうようなオヤジ

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