2010年02月10日
「オリエント急行殺人事件」 シドニー・ルメット 監督
この映画は映画館でも見たし、DVDも持っているのにTVで放送される度に見てしまいます。
で、昨夜BS2の『アカデミー賞映画特集』で放送されたので、また見てしまいました。
何度見てもおもしろさに変わりはないし、エンディングの軽やかなワルツの曲の中、乗客たちが乾杯する場面には感動します。
その様子を見届けた後で、去っていくポアロの姿と共に忘れることができない映画です。
原作は1934年にアガサ・クリスティによって発表された『Murder on the Orient Express』。
イスタンブールからカレーに向かう列車が雪に閉じ込められた中、殺人が起こります。
そんな外部と遮断された状況で偶然乗り合わせた名探偵エルキュール・ポアロが
わずかな証拠を頼りに灰色の脳細胞をフルに活動させ、真相にたどりつきます。
この事件は、ポアロが犯人を見逃す数少ないケースのひとつです。
映画化されたのは1974年。
それまでに映画化された作品に納得がいかなかったクリスティは、最初乗り気でなかったそうな・・
でも、制作が『ピーター・ラビットと仲間たち ザ・バレエ(1971年)』のリチャード・グッドウィンだと知ると、「あれほど原作に忠実に創ってくれる人なら」と信頼してオッケーを出したんだって(DVDのメイキング映像インタビューより)。
映画が完成すると、外出嫌いなクリスティが製作者達への敬意からプレミアに出席したと彼女の孫が話してましたから、この映画はクリスティ自身も満足の出来だったのでしょう。
オープニングで『アームストロング事件』の映像が流れるので、謎解きと言う部分では小説の方が楽しめるとは思いますが、エンターティメントとしてすばらしい映画に仕上がっています。
ミステリーなので、一応犯人の名前は書きませんぞ・・・
![オリエント急行殺人事件 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51hMuY54eTL._SL160_.jpg)

で、昨夜BS2の『アカデミー賞映画特集』で放送されたので、また見てしまいました。
何度見てもおもしろさに変わりはないし、エンディングの軽やかなワルツの曲の中、乗客たちが乾杯する場面には感動します。
その様子を見届けた後で、去っていくポアロの姿と共に忘れることができない映画です。
原作は1934年にアガサ・クリスティによって発表された『Murder on the Orient Express』。
イスタンブールからカレーに向かう列車が雪に閉じ込められた中、殺人が起こります。
そんな外部と遮断された状況で偶然乗り合わせた名探偵エルキュール・ポアロが
わずかな証拠を頼りに灰色の脳細胞をフルに活動させ、真相にたどりつきます。
この事件は、ポアロが犯人を見逃す数少ないケースのひとつです。
映画化されたのは1974年。
それまでに映画化された作品に納得がいかなかったクリスティは、最初乗り気でなかったそうな・・
でも、制作が『ピーター・ラビットと仲間たち ザ・バレエ(1971年)』のリチャード・グッドウィンだと知ると、「あれほど原作に忠実に創ってくれる人なら」と信頼してオッケーを出したんだって(DVDのメイキング映像インタビューより)。
映画が完成すると、外出嫌いなクリスティが製作者達への敬意からプレミアに出席したと彼女の孫が話してましたから、この映画はクリスティ自身も満足の出来だったのでしょう。
オープニングで『アームストロング事件』の映像が流れるので、謎解きと言う部分では小説の方が楽しめるとは思いますが、エンターティメントとしてすばらしい映画に仕上がっています。
ミステリーなので、一応犯人の名前は書きませんぞ・・・
![オリエント急行殺人事件 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51hMuY54eTL._SL160_.jpg)

シリアでの仕事を終えて、ロンドンへ帰ろうとしたポアロは、ホテルで国際寝台車会社重役で旧友のビアンキ(マーティン・バルサム)と再会し、彼にオリエント急行の切符を手配してもらう。
ところが特に込み合う時期でもないのに寝台車は全て満席、
ビアンキの計らいで何とかベッドを確保し、彼と共に列車に乗り込めたのさ・・
イスタンブールの駅でオリエント急行が出発準備をしている中、
次々と乗り込む乗客たち・・・見ているとわくわくします。
ファッションも見ごたえがありますョ〜
いや〜よくぞこんなに豪華なキャストが揃ったよね・・
車掌のピエール(ジャン=ピエール・カッセル)が迎える時の表情でその客のキャラが伺えます。
ウェンディ・ヒラー演じるロシア人のドラゴミノフ公爵夫人の姿が見えたら、
ピエールは姿勢を正しておりましたョ・・
言うたらなんやけど、妖怪と言ってもいいような佇まいなんだけど、圧倒されるような威厳とユーモアが感じられるユニークな人物でしたわ〜
メイドのミス・シュミット(レイチェル・ロバーツ)と二匹の犬も一緒です。
(公爵夫人のコンパートメントで尋問をする時にポアロが二匹の犬を両手にひょいとモノみたいに持ち上げる姿に笑ったわ)
優雅に登場するハンガリーの外交官ルドルフ・アンドレニイ伯爵 (マイケル・ヨーク)と
その妻エレナ(ジャクリーン・ビセット)。
常に怯えを隠そうと必死に耐えている表情が美しかったわ〜
そして、そんな妻をしっかりと守ろうとする夫・・・
むらがる物売りたちをクールに追い払いながらホームの奥からハッバード夫人(ローレン・バコール)が歩いてくるのが見えると、嬉しそうに微笑むピエール。
つんとした表情で、ピエールが案内した扉ではなく別の扉から乗り込みます。
立ってるだけで、何か粋だわ〜
おしゃべり好きでうるさいおばさんという設定だったんだけど、ふと見せる表情に惹き付けられました。
ビアンキがポアロを紹介し、彼のために寝台を融通するよう命じるとピエールの顔に緊張が走ります。
これは予定外ですからね〜
そこにおどおどと席を尋ねる田舎くさいスウェーデン人の宣教師ミス・オルソン(イングリッド・バーグマン)が登場。
そこに今回殺害されるラチェット氏(リチャード・ウィドマーク)とその秘書マックイーン(アンソニー・パーキンス)、執事のベドウズ(ジョン・ギールグッド)が現れると、ピエールは何とも言えない複雑な表情を浮かべます。
英国軍大佐アーバスノット(ショーン・コネリー)とその恋人で教師をしていたイギリス人女性デベナム(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)は、もう乗り込んでおります。
他には車の販売をしていると言ってるが実は探偵のイタリア人フォスカレッリ(デニス・クイリー)
と、医師のコンスタンティン博士(ジョージ・クールリス)も乗り込みます。
すごい俳優ばかり・・・(゚Д゚)
これから、凄惨な殺人事件が起こるとは思えない、美しく楽しい曲に乗って冷たい夜気の中、列車は走り出します。
それがいいんですよね〜
その後、ラチェット氏の刺殺死体が発見され、ビアンキはコンスタンティン医師に検死を頼み、ポアロに捜査を依頼するのさ〜
犯人は様々な証拠の品をばら撒き、捜査を混乱させようとするのですが、ポアロの灰色の脳細胞の働きに影響を与えることはできませんでした。
私がちょっと楽しみにしていたのは、ラチェットが燃やした脅迫状の文字を再現するところ。
帽子箱に入ってる網と網との間に紙を挟んで・・・ってのが、原作を読んだ時にはどういうアレで文字が浮かび上がるのかわからんかったのよ〜
映画で確認して、なるほどね〜と感心した憶えが・・
アルコールランプの炎で炙りだされた文字は『デイジー・アームストロング』・・
そこからポアロはラチェット氏が、5年前に起こった誘拐殺人事件の犯人であると推理し、乗客に尋問を続けるうちに、ある結論を導き出すの・・
この映画の時、アルバート・フィニーはまだ30代だったんだね・・
わたしゃ50代ぐらいのおっさんだと思っていたよ。
いろんな俳優さんがこのエルキュール・ポアロを演じていますが、私はこのアルバート・フィニー版が気に入っています。
小説の中で感じられたポアロという男の持つ『異形さ』が見事に表現されているというか・・
その風変わりな外見とすさまじい頭脳の働きとのアンバランスさと滑稽さ、
ベルギーからイギリスに亡命してきたという過去、どんな場所にてもなじむことのない異邦人・・
誰もその本質を理解することのできない小さな巨人にアルバート・フィニーはなり切ってました。
ラスト、集められた乗客たちの前でポアロは犯人像への2つの答えを提示し、どちらを選ぶかをビアンキに託すのです。
ビアンキの判断は乗客たちと一致、事件は解決し、列車も動き出します。
音楽と共にピシッと決まる気持のいいラストですわ〜
とにかく、最初から最後までよくできた映画でした。
撮影された時点でオリエント急行はもう走っていなかったので、車内はセットなのですが、丁寧に再現された豪華さにはうっとりします。
最高の監督と脚本家、すばらしい俳優たちとそれを支えるスタッフの力が結実した作品だと思います。
ミステリーファンでなくとも楽しめること請け合いですぞ・・

やはり名作に飽きがくることはにゃい・・・再確認したアナタ、ぽちっとな〜(p゚∀゚q)
ところが特に込み合う時期でもないのに寝台車は全て満席、
ビアンキの計らいで何とかベッドを確保し、彼と共に列車に乗り込めたのさ・・
イスタンブールの駅でオリエント急行が出発準備をしている中、
次々と乗り込む乗客たち・・・見ているとわくわくします。
ファッションも見ごたえがありますョ〜
いや〜よくぞこんなに豪華なキャストが揃ったよね・・
車掌のピエール(ジャン=ピエール・カッセル)が迎える時の表情でその客のキャラが伺えます。
ウェンディ・ヒラー演じるロシア人のドラゴミノフ公爵夫人の姿が見えたら、
ピエールは姿勢を正しておりましたョ・・
言うたらなんやけど、妖怪と言ってもいいような佇まいなんだけど、圧倒されるような威厳とユーモアが感じられるユニークな人物でしたわ〜
メイドのミス・シュミット(レイチェル・ロバーツ)と二匹の犬も一緒です。
(公爵夫人のコンパートメントで尋問をする時にポアロが二匹の犬を両手にひょいとモノみたいに持ち上げる姿に笑ったわ)
優雅に登場するハンガリーの外交官ルドルフ・アンドレニイ伯爵 (マイケル・ヨーク)と
その妻エレナ(ジャクリーン・ビセット)。
常に怯えを隠そうと必死に耐えている表情が美しかったわ〜
そして、そんな妻をしっかりと守ろうとする夫・・・
むらがる物売りたちをクールに追い払いながらホームの奥からハッバード夫人(ローレン・バコール)が歩いてくるのが見えると、嬉しそうに微笑むピエール。
つんとした表情で、ピエールが案内した扉ではなく別の扉から乗り込みます。
立ってるだけで、何か粋だわ〜
おしゃべり好きでうるさいおばさんという設定だったんだけど、ふと見せる表情に惹き付けられました。
ビアンキがポアロを紹介し、彼のために寝台を融通するよう命じるとピエールの顔に緊張が走ります。
これは予定外ですからね〜
そこにおどおどと席を尋ねる田舎くさいスウェーデン人の宣教師ミス・オルソン(イングリッド・バーグマン)が登場。
そこに今回殺害されるラチェット氏(リチャード・ウィドマーク)とその秘書マックイーン(アンソニー・パーキンス)、執事のベドウズ(ジョン・ギールグッド)が現れると、ピエールは何とも言えない複雑な表情を浮かべます。
英国軍大佐アーバスノット(ショーン・コネリー)とその恋人で教師をしていたイギリス人女性デベナム(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)は、もう乗り込んでおります。
他には車の販売をしていると言ってるが実は探偵のイタリア人フォスカレッリ(デニス・クイリー)
と、医師のコンスタンティン博士(ジョージ・クールリス)も乗り込みます。
すごい俳優ばかり・・・(゚Д゚)
これから、凄惨な殺人事件が起こるとは思えない、美しく楽しい曲に乗って冷たい夜気の中、列車は走り出します。
それがいいんですよね〜
その後、ラチェット氏の刺殺死体が発見され、ビアンキはコンスタンティン医師に検死を頼み、ポアロに捜査を依頼するのさ〜
犯人は様々な証拠の品をばら撒き、捜査を混乱させようとするのですが、ポアロの灰色の脳細胞の働きに影響を与えることはできませんでした。
私がちょっと楽しみにしていたのは、ラチェットが燃やした脅迫状の文字を再現するところ。
帽子箱に入ってる網と網との間に紙を挟んで・・・ってのが、原作を読んだ時にはどういうアレで文字が浮かび上がるのかわからんかったのよ〜
映画で確認して、なるほどね〜と感心した憶えが・・
アルコールランプの炎で炙りだされた文字は『デイジー・アームストロング』・・
そこからポアロはラチェット氏が、5年前に起こった誘拐殺人事件の犯人であると推理し、乗客に尋問を続けるうちに、ある結論を導き出すの・・
この映画の時、アルバート・フィニーはまだ30代だったんだね・・
わたしゃ50代ぐらいのおっさんだと思っていたよ。
いろんな俳優さんがこのエルキュール・ポアロを演じていますが、私はこのアルバート・フィニー版が気に入っています。
小説の中で感じられたポアロという男の持つ『異形さ』が見事に表現されているというか・・
その風変わりな外見とすさまじい頭脳の働きとのアンバランスさと滑稽さ、
ベルギーからイギリスに亡命してきたという過去、どんな場所にてもなじむことのない異邦人・・
誰もその本質を理解することのできない小さな巨人にアルバート・フィニーはなり切ってました。
ラスト、集められた乗客たちの前でポアロは犯人像への2つの答えを提示し、どちらを選ぶかをビアンキに託すのです。
ビアンキの判断は乗客たちと一致、事件は解決し、列車も動き出します。
音楽と共にピシッと決まる気持のいいラストですわ〜
とにかく、最初から最後までよくできた映画でした。
撮影された時点でオリエント急行はもう走っていなかったので、車内はセットなのですが、丁寧に再現された豪華さにはうっとりします。
最高の監督と脚本家、すばらしい俳優たちとそれを支えるスタッフの力が結実した作品だと思います。
ミステリーファンでなくとも楽しめること請け合いですぞ・・

やはり名作に飽きがくることはにゃい・・・再確認したアナタ、ぽちっとな〜(p゚∀゚q)
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