「JIN−仁−」 第10回「アグリー・ベティ 3」 第11回 奪われたドレス

2009年12月16日

「アフタースクール」 内田けんじ 監督

 おもしろかったわ〜
登場人物たちの印象が切り替わる場面が何度もあって、その度に驚かされたんで
102分がホントにあっちゅーまでしたわ・・・
HPはこちら

 オープニング・・・・
臨月の妻との中学時代の思い出を回想する男・・・
学校の玄関で自分を待っていた彼女が恥ずかしそうに「木村君・・・これ・・」と手紙を差し出したんだった・・・

 子供の誕生を待つ幸せそうな妻美紀(常盤貴子)と、彼女を思いやる優しい夫木村一樹(堺雅人)。
そして同じく孫の誕生を待っている妻の父(山本圭)。

 そこにもう一人の男が登場。
母校の中学校で教師をしている神野(大泉洋)。
木村とは中学からの付き合いで、神野も木村の子供が産まれるのを心待ちにし
留守がちの木村の代わりにいろいろ面倒を見ている。

 そんな神野の元へ同級生の島崎(佐々木蔵之介)という男が現れ、女性と写っている木村の写真を見せ、この男を捜していると言うのでした。
あの木村が、まさか浮気?
連絡を取ろうとしても木村は携帯に出ない・・・行方不明?
神野は島崎に引っ張られる形で木村探しを手伝わされることになるのさ・・

 ここからはネタバレありです。
アフタースクール [DVD]

 ほのぼのムードのオープニングから一転・・・
借金を返すために仕事を選んでいられない荒んだ雰囲気の島崎が現れると俄然サスペンス色が強くなります。

 島崎に木村を捜すよう依頼したのは木村が勤務する梶山商事の社長秘書。
しかし、調べていくうちに梶山商事の社長大黒(北見敏之)は、
島崎が借金をしているヤクザの片岡(伊武雅刀)と繋がっているのがわかるのさ〜
 どうやら木村は片岡の女だったあゆみを奪って逃走しているらしい・・
いい人そうに見えた木村だけど、実は裏では奥さんを裏切り、ヤバイことに手を出してたのか?
 堺様のミステリアスな雰囲気が生きてましたね〜

 ショックを受けたふうの神野に島崎は言います。
「現実なんてこんなもんだよ、先生。勉強になったか?」
「お前は木村を知らないだろ?」神野
「お前は知ってるのか?
お前みたいにずーーーっと教室の中で生きてる奴に人間の何がわかるんだよ。
何も知らないで自分の都合のいいように人間見て、安心しやがって。
おめぇみたいな奴見るとムカムカするんだよな。
早く卒業しろよ、中学校から」島崎

 この時点で私、神野は島崎が指摘したとおり中学時代から成長していない
おめでたい人間なのかな・・って思っちゃったのですが、
その印象はすぐに塗り替えられます。
 帰宅した神野を待っていたのは、くつろいだ姿で食事している木村・・・
二人の会話から、これは二人が仕組んだことで、ほがらか先生っぽかった神野の
黒〜い顔が垣間見えるのです・・・

 こんなふうに小さなどんでん返しがしょっちゅうあってとにかく飽きない!
しかもどの俳優さんも、いい温度で演じてくれるので見てて、非常に気持いいんですョ!

 島崎は借金を踏み倒して逃げようとしているのを片岡に見つかり港で沈められそうなムードに・・
そこにあゆみが殺された知らせが入り、木村たちが関わってることが判明。
島崎は片岡から、とりあえず木村の仲間の神野を連れてくるよう命じられるのさ・・

 その頃、木村は社長に脅迫の電話をかけてるんだけど、この時の飄々とした堺様の声がいいのよね〜
ここまでほとんど堺様の活躍場面がないから、なんでだ〜?と思ってたんだけど
この一見クールで度胸もありそうで、実は小心者で優しくて・・という木村は
まさに堺様の役なんですよね。
 冷たそうでいて暖かい、でもするりと逃げられちゃいそうな不思議な雰囲気・・
おちゃめな面もあって、静かで大きい・・何考えてるのかわからなさそうだけど、
実はすごくシンプル・・

「お金がいりようでして・・・
うどんでも食べましょうよ。ついでにちょっとお金を貸していただきたいんですが・・」

 で、うどん屋には大黒社長が現れ、木村が現れるのをかぎつけたヤクザも客を装って待っております。
さらに外には片岡たちも見張ってるョ〜
危ないわ〜(;゚Д゚艸)
のこのこ、うどん屋に来たら捕まっちゃうョ・・・

 その頃、神野は美紀の身の安全を考え、彼女を病院から学校の保健室に移動させるの。
でも、携帯のGPSで神野の居場所をキャッチした島崎も来ちゃったョ・・
ここでやっと神野から島崎に種明かしさ・・・
うどん屋の木村の状況も明らかにされる。

 私がヤクザだと思った山本龍二さんとかは刑事だったのよね・・
てか、木村と大黒の回りはみ〜んな刑事で固めてた!
厨房の奥には、その様子を監視カメラ映像を見ている義父さん(山本圭)さんも!
美紀が住んでいる場所にいて、ベビーベッド運ぶのを手伝ってくれたおじさんも
(管理人さんかと思ったョ!)、病院へ乗せて行ってくれたご近所さんだと思った人も、
みんなみんな刑事だったのさ〜!

 木村の役目は大黒が大金を持ってることの確認とビールを飲ませること。
(その後、酒気おび運転で検問に引っ掛けるため)
で、大黒がビールを飲んだら、隣に座ってた変装した刑事たちがうどんを食べ始め、
その音を聞いた近くに座ってる刑事も食べ始め・・・
最終的に、厨房の近くに座ってるおっさんが「ジャンバラヤおかわり!」と叫んで
任務完了を伝えるのがおもしろかったぞ・・・

 その後に片岡がやって来て、木村にすごむんだけど
「お疲れした!」と頭を下げて去っていく堺様・・・(( ^∀^ ))
で、変装していた女刑事さんに「結構、カッコよくなかったスか?」って聞くんだけど
「いえ、別に」とか言われちゃうのよね。

 そうそう、木村と写っていた謎の女は警官をしている神野の妹(田畑智子)だったのね〜
家に居た木村に対して神野が不機嫌な態度だったのは、仲間割れじゃなくて
知らない間に妹に近づきやがってという兄の思いだったんだね〜

 木村が大黒に美紀のことを「「助けて」って頼まれたから「いいよ」って答えた」と
言ってましたが、
この神野と木村という男は本当に邪心なく、何とかしてあげようという純粋な思いから動いたというのが伝わってきましたよね〜
 ラストで真実がわかるまでは、悪人なのか善人なのか迷わせる部分があって、
見ている側もどんどんイマジネーションが広がっていく・・・
 そこがキャスティングのうまさなんでしょうが、脚本もしっかりしてるからなんでしょうね。

 島崎が刑事に連れて行かれる時に神野が「お前みたいな生徒、どこのクラスにもいるんだよ」と教師の顔になって話します。
途中、神野は「中学を卒業しろよ」と島崎に説教されてましたが、
多分、中学の頃から成長していなかったのは島崎の方・・・

 神野と木村は中学校の頃の思い出を大切にしながらも、ちゃんと素敵な大人に成長していました。
突然転校していった美紀・・・一緒に帰ろうと言いたかったのに結局言えなかった。
あの頃の自分は、ただドキドキして伝えることもできず、会えなくなったことをを悲しむことしかできなかったけど、今は違う。
「一緒に帰ろうよ。俺んちに帰ろう・・」

 いや〜ストレートなプロポーズがしゅてきだったぞ!
保健室での神野の妹の美紀への「幸せになればいいんですよ、この子と一緒に」って
言葉にもじ〜んときたけどね〜
 何か全体的に「情」の部分の描き方がすごくあっさりしてて、せつなさもあり、
適度な距離感が私の好みだったわ〜

 それにしても、中学校の思い出にもどんでん返しが・・・( ̄m ̄〃)
「木村君・・・これ」オープニングで中学生の頃の木村が美紀から手紙をもらっていたんだけど
「神野君に渡してくれる?」って・・・アンタ・・・そっちかい?!ってビックリしたよ・・

 あの指輪も最初は木村が妻への感謝のために買ったのかと思ったし、
その後は木村が謎の女に贈るために買ったのかな〜?って勘違いしちゃったョ〜
小道具の使い方もうまいわ・・・
 そして、神野に妹とホットケーキ食べてたって言ってたけど、言い訳かと思ったら
あれも本当だったのね・・
さらにエンディングの音楽が流れた後、そもそも美紀は何の事件の重要参考人だったかもちゃんと教えてくれたのには、にやりとしたぞ・・・

 いや〜久々に気持よく楽しみました。
10点満点で8.9点!
この監督の他の映画も見たいわ〜
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やっぱり堺様LOVE!(*゚益゚*)再確認したアナタはぽちっとね〜♪

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matakita821 at 23:55│Comments(6)TrackBack(3)映画 

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1. 【アフタースクール】大人の探偵物語  [ 映画@見取り八段 ]   2009年12月17日 20:54
アフタースクール 監督: 内田けんじ 出演: 大泉洋、佐々木蔵之介、堺雅人、常盤貴子 公開: 2008年5月 あまり前情報は無かったです??.
2. 「アフタースクール」 2回目  [ 塩ひとつまみ ]   2009年12月18日 20:52
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3. 堺雅人 大泉洋 佐々木蔵之介 / アフタースクール  [ 中川ホメオパシー  ]   2009年12月19日 17:45
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この記事へのコメント

1. Posted by みのむし   2009年12月17日 16:22
これ本当におもしろいですよねぇ〜〜!!
最初は大泉さんいいように扱われちゃって〜。
と思っていたのにあれれ?あれれ?
って感じでねぇ。
本当に脚本の妙ですわ〜。
うますぎますよ。この映画。
2. Posted by きこり→みのむしさん   2009年12月17日 19:42
>これ本当におもしろいですよねぇ〜〜!!
最初の印象から最後まで見てるとコロコロと印象が変わりますもんね〜
こういうタイプの映画好きなんですよ〜
>本当に脚本の妙ですわ〜。
ホント、ホント!
シンプルでわかりやすいし・・・
あとから見直してみても、どの台詞も動きも
変に誘導する感じじゃないんですよね。
だからラストで種明かしされると、うまく騙してくれたな〜って爽快感が・・・(笑
この監督さんに興味わいてきちゃった♪
3. Posted by くう   2009年12月17日 20:59
面白かったでしょ〜(*^^*)

ほんとさ〜途中からガラっと変わるんだよね。
最初の方は、別に普通のドラマじゃんと思いながら、
ただ見てただけなんだけどね〜。
堺さんもあまり出なくなっちゃうし〜(´。`)
でも、後半からのエピソードの回収にワクワクするよね〜♪

も〜ほんと、スクリーンに映り出される堺しゃまに惚れ惚れ〜

何度も見れば見る度に面白いと思うわ。
私も借りてきて見直そうかな〜♪
4. Posted by きこり→くうさん   2009年12月18日 20:47
>最初の方は、別に普通のドラマじゃんと思いながら、
ただ見てただけなんだけどね〜。
そうそう、オープニングとラストじゃまるっきり
違う感じだもんね。
すぐに堺様が消えちゃったから、ちょっとテンション下がったし・・(笑
>でも、後半からのエピソードの回収にワクワクするよね〜♪
楽しかったわ〜
そういうことかい!って次々と見せてくれるのが
気持良かったわ〜
それにしても洋ちゃん、いい役だったよね・・
なんか堺様より目だって憎らしいわ〜(笑
>何度も見れば見る度に面白いと思うわ。
私も2回見たけど、また見直そっかな〜♪
5. Posted by ミマム   2009年12月18日 20:54
こんばんは〜。
この映画はホント、面白かったし騙されました(笑)
主演の3人の男性は「いい人にも悪い人にも見える人」という理由で
キャスティングしたと監督さんがおっしゃってましたっけ。
面白かったんでDVD買ったんですが、見てないまま何ヶ月?…(^^;)
大掃除が終わったら見てみようかな〜(苦笑)
6. Posted by きこり→ミマムさん   2009年12月18日 21:23
>主演の3人の男性は「いい人にも悪い人にも見える人」という理由で
キャスティングしたと監督さんがおっしゃってましたっけ。
そんな感じですよね・・
どっちとも取れるような表情と台詞で・・
本当にうまく作られてました。
でも蔵様は最初っから最後まで悪い感じでしたね〜(笑
>面白かったんでDVD買ったんですが、見てないまま何ヶ月?…(^^;)
そういうもんなんですよね〜
私も何本もあります・・(汗
安心しちゃうんですかね・・

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