2009年10月11日
「刑事コロンボ」 別れのワイン
今週からBS2でも『刑事コロンボ』が始まりましたね〜
名作ドラマがこうやって再び見られるのは本当に嬉しいです。
この「別れのワイン」は、ハイビジョン版で放送されたものですが、
「刑事 コロンボ」の中で最も好きな作品です。
コロンボが犯人に向ける尊敬と優しさが印象に残ります。
どんな事情であれ、殺人という行為を行った犯人には容赦ないコロンボですが
この「別れのワイン」の犯人に対しては特別な温情を感じます。
今回の犯人は老舗ワイナリー・カッシーニの経営者エイドリアン・カッシーニ(ドナルド・プレザンス)。
彼は人生をこのカッシーニに捧げ、ワインのために生きてきたような人間。
彼には腹違いの弟リック(ゲイリー・コンウェイ)がおり、
先代の社長である父親は会社を弟のリックに、財産を兄であるエイドリアンに継がせて亡くなった。
んが、この弟、経営の才覚はまったくなく兄にまかせっきりで
遊び歩いては金が無くなると兄に無心に来るという状況だったのさ・・
ワイン協会のお偉方がエイドリアンの元を訪れ、「今年の人」最終審査を行っているという大事な時、エイドリアンはリックがオフィスに居るのを発見。
たまたま、協会のメンバーに出すワインを取りに来て知ったんだけどね・・
二人の性格と生き方が端的に現れた会話がいい・・
「カッシーニの名を高らしめたワインを賞味してみるかね?」エイドリアン
「カッシーニを金持ちにするワインを飲みたいね」リック
リックは、結婚するからと金を要求。
さらに、ワインを安売りして大儲けしているマリノ酒造にこのワイナリーを売ると言い出したのよ。
それを聞いて激昂したエイドリアンはリックを何かでかい金色のもの(何?)で殴り倒してしまう。
名作ドラマがこうやって再び見られるのは本当に嬉しいです。
この「別れのワイン」は、ハイビジョン版で放送されたものですが、
「刑事 コロンボ」の中で最も好きな作品です。
コロンボが犯人に向ける尊敬と優しさが印象に残ります。
どんな事情であれ、殺人という行為を行った犯人には容赦ないコロンボですが
この「別れのワイン」の犯人に対しては特別な温情を感じます。
今回の犯人は老舗ワイナリー・カッシーニの経営者エイドリアン・カッシーニ(ドナルド・プレザンス)。
彼は人生をこのカッシーニに捧げ、ワインのために生きてきたような人間。
彼には腹違いの弟リック(ゲイリー・コンウェイ)がおり、
先代の社長である父親は会社を弟のリックに、財産を兄であるエイドリアンに継がせて亡くなった。
んが、この弟、経営の才覚はまったくなく兄にまかせっきりで
遊び歩いては金が無くなると兄に無心に来るという状況だったのさ・・
ワイン協会のお偉方がエイドリアンの元を訪れ、「今年の人」最終審査を行っているという大事な時、エイドリアンはリックがオフィスに居るのを発見。
たまたま、協会のメンバーに出すワインを取りに来て知ったんだけどね・・
二人の性格と生き方が端的に現れた会話がいい・・
「カッシーニの名を高らしめたワインを賞味してみるかね?」エイドリアン
「カッシーニを金持ちにするワインを飲みたいね」リック
リックは、結婚するからと金を要求。
さらに、ワインを安売りして大儲けしているマリノ酒造にこのワイナリーを売ると言い出したのよ。
それを聞いて激昂したエイドリアンはリックを何かでかい金色のもの(何?)で殴り倒してしまう。
お客様を待たせちゃいけないと、とりあえずリックはそのままにして部屋を出たら
日曜出勤してきた秘書のカレン(ジュリー・ハリス)に会っちゃったから、これも追い返して、協会のみなさんが待っている部屋に急ぐエイドリアン。
で、協会のみなさんにワインを出すんだけど・・・
わたしゃ、このドラマを見て初めて「デカンタージュ」って行為を知ったョ・・・
その頃は、ワインを飲むってこと自体がそれほど一般的ではなかったと思うんだけど
(あくまで田舎での話ね)
ワインってこんなふうに飲むんだ〜と恐れ多いもののように思いながら見てました。
さて、このワインをデカンターに移すという行為は非常に難しいらしい。
弟をぶん殴るという生涯初めての行動をしたエイドリアンは手が震えてるのを知られるのを恐れて、協会のファルコンさんにやらせてました。
その後、「今年の人」にも選ばれ、協会の皆さんが帰った後、
エイドリアンは、リックの手足を縛ってワインの貯蔵庫へ。
この時はまだリックは息をしていたんだけど、空調を切って徐々に窒息させるって腹さ・・・
(そんな密閉状態になるんだ〜(´・∀・`)ヘー)
その後すぐに自分はワインの競売のために1週間ほど出張するからアリバイはバッチリなのです。
弟の乗ってきた派手なスポーツカーは自分の車庫にしまって・・と。
出張中に結婚する弟に「今年の人」に選ばれた報告と結婚のお祝いとして5千ドルの小切手を送るようカレンに命じるエイドリアン・・・
競売では1本5千ドルもするワインを手に入れてましたが、これは自分へのプレゼント?
出張から帰ると、すぐに貯蔵庫に入れておいたリックの死体にスキューバーダイビングの装備をさせて、ダイビング中の事故で亡くなったと見せるために崖から落とすのでした。
そばにはリックの車を置いといて・・・
エイドリアンはどうやって帰るのかしら?って思ったら、ちゃんと折りたたみ式の自転車を積んでいて、それで帰ってましたわ・・
私なら、忘れて歩いて帰るハメになるわ・・・
翌日、リックの死体が海で発見され、エイドリアンの目論み通り、
事故として処理されそうになるんだけど、担当したのがコロンボ(ピーター・フォーク)だった。
検死によって死亡日時が特定されたんだけど、亡くなったと思われる日は雨だった。
雨の日にスキューバ・ダイビングをするだろうか?
さらに、恋人が焼餅を焼くほど車に愛着を持っていたリックが雨の日に幌も出さずに
野ざらしにしておくなんて・・・
それに車には雨の跡が残っていなかった・・
辻褄の合わないことは許せないコロンボ・・・スイッチが入りましたぞ。
で、まず、コロンボは容疑者と思われるエイドリアンを知るために、
ワイン工場の見学客としてやって来ました。
その後、エイドリアンに会いに行くんだけど、あのヨレヨレのコートを着て、
名乗らないもんだから「就職の件であれば、人事課は9時から5時まで開いてます」って言われてたわ〜
さて、刑事と自分が殺した人間について話す時が勝負ですョ・・
わざと大げさに嘆き悲しむのは初心者、仲が悪かったことをオープンにして死んでせいせいしたって見せるのも嘘がないふうに思わせるには一案ですが・・・
エイドリアンは冒険好きな弟は十分生き切ったし、悲しむのは弟も喜ばない・・と
高度な表現をしておりました。
その時、コロンボはエイドリアンが食事の時間に合わせてワインのデカンタージュしているのを知り、「これだけは誰にもまかせたことがないんですよ」と聞かされるのよ〜
この時点で、コロンボにワイン知識はゼロ。
「何だかおわかりですか?」とエイドリアンに聞かれても、もちろん答えられませんでした。
例によって、「ワインの勉強に来ていいですか?」とつなぎをつけるのでした。
その後、解剖報告でリックは死ぬ前の二日間、何も食べていないことがわかり
コロンボは殺人だと確信したようです。
さらに、ワイン協会の皆さんにリックがエイドリアンに会った日のことを尋ねたら
エイドリアンがワインを取りに行くために4,5分の間席を外した事、
デカンタージュを人にまかせたことから彼への疑惑を強めたようです。
で、捜査を本格的に始める前に、酒屋の親父にワイン指南をお願いしてましたわ〜
「あんたなら、ワインについては大抵誰より知ってるって・・」コロンボ
「違うね。全てを知ってる」親父
「知ってること全て教えてくれない?」コロンボ
「わしゃ、40年かかって道を究めたんだよ」親父
「じゃぁ、あの・・・1時間半でどれぐらいできる?」
「ほんの基礎だけだね・・」親父
「まずね、並の酒と上等のはどこで見分けるの?」
「それは・・・値段だね」
さて、特訓の成果が出たのか、次にエイドリアンと会った時には、出されたワインを
『バーガンディのピノノワール』だと当てて、彼をびっくりさせることに成功しましたョ〜
プロは同じように尊敬できる本物のプロにしか心を開かない・・
コロンボはそのためなら努力は惜しみません。
そして、エイドリアンが買った5千ドルのワインを見せて欲しいとねだり、貯蔵庫に入ることに成功。
リックが亡くなった場所はここだと確信したようです。
さらに、先週ピクニックに行った時にすごく暑かった日があったのを思い出して
奥さんにそれがいつだったのか確認してましたわ〜
仕上げに秘書のカレンの所へ行き、リックがワイナリーに来たのを見た人はいるけど帰ったのを見た人がいないと話すコロンボ。
12年秘書を務め、エイドリアンのことを密かに思っていたカレンは彼をかばうために
リックが帰るのを見たと証言するのでした。
それを聞いて、その場でエイドリアンに電話するコロンボ・・・
疑ったお詫びに二人を食事に招待すると誘っておりました。
で、予約しておいた高級レストランへ行くのですが、例によってヨレヨレコートに冴えないスーツ姿なもんだから、調理場のドアの前の席に案内されちゃいました。
エイドリアンが到着して怒ったら、すぐにいい場所に変えてくれたけどね・・
食事もつつがなく終わり、エイドリアンにワインの選択についても褒められ、
あとは食後のワインだけ・・
コロンボが選んだのはワイン通なら目の色を変えるフェリエ・ヴィンテージポルト45年もの。
エイドリアンの目もギラギラと輝きだしました。
んが・・・一口飲んだ途端に失望した表情に・・・
「飲むに耐えんな!
偉大なるワインは偉大な美術品と同じなのを知らんのか?
細心の注意をもって保存すべきなのに、君はこのポルトを40度以上という高温に置いていたに違いない。
そのような無神経さは許せないし、また許すべきでもないんだ!!
払う必要はありませんぞ。このワインは加熱のために酸化している。
このようなものを出すとは侮辱だ!!」
怒って店を出て行っちゃったぞ・・・
「食い逃げはあの手にかぎりますなぁ・・よく覚えておこう」
外に出た後、何気に先週暑くて気温が40度ぐらいまで上がったことを伝えるコロンボ・・
エイドリアンの目に衝撃が走りました。
「じゃ・・・いずれにしろ、もうお目にかかることもないでしょうが」コロンボ
カレンが彼のために嘘をついたことを知ったエイドリアンは
「単なる従業員なんだから、君まで危険を犯すことはなかった」と責めてました。
あくまで愛情はないことを強調するエイドリアンの態度に腹を立てたカレンは
秘密を共有したことを盾に結婚を迫るのでした。
ワインのことなら知らないことはないエイドリアンだけど、女心については
未知の領域・・・
かなり困った事態に追いつめられましたぞ・・・
さて、カレンを降ろしたエイドリアンはワイナリーへ・・・
高温でダメになってしまった貯蔵庫のワインを全て車に積んで、海へ投げ捨てるという行為にでました。
貴重で高価なワインが次々と海に放り投げられ、エイドリアンの顔は無念の思いでゆがんでおります。
で・・・車に戻ったエイドリアンはコロンボが待っているのに気づくのでした。
「全部、いかれちゃったんでしょ・・?
気温の急上昇が命取りでしたね・・
あの日の暑さの話をすりゃ・・あなたにはピンとくると思った。
遅かれ早かれ、ダメになったワインを捨てにくると踏んだわけです。
あれを捨てるなんて、死ぬ思いだったでしょう・・・」コロンボ
「人には想像もつかんでしょうな・・・どうしてわかりました?」エイドリアン
「どうしてでしょうな・・」
実は、コロンボは貯蔵庫を見せてもらった時、ワインを一本くすねていたのさ・・・
それがレストランで出した「フェリエ・ヴィンテージポルト45年もの」
このワインが高温のためにダメになっているのがわかるのは、世界でもエイドリアンを含む数人だけ・・
彼は自分で自分の犯罪を証明してしまった・・・
証拠はないから、彼の自白に頼るしかないんだけど彼は全てを自供すると言ってくれました。
エイドリアンはほっとしておりました。
カレンに結婚を迫られたのがよほど嫌だったらしい・・・
「刑務所は結婚より自由かもしれませんな・・・」
エイドリアンが「全生涯を通じて、私が真に愛したのはここだけだった」というワイナリーの前で車を止めたコロンボはワインとグラスを差し出しました。
「ほっほほ・・・モンテフィアスコーネ!
最高のデザートワイン・・・それに別れの宴に相応しい」
「よく勉強されましたな・・」エイドリアン
「ありがとう。何よりも嬉しいお褒めの言葉です」コロンボ
目を見つめあい、イタリア式の乾杯をする二人・・・
「はっはっは・・・」笑い声をあげるエイドリアンにワインの瓶を抱かせて、微笑み・・・
コロンボは車を走らせるのでした。
いいラストです。
ワインだけを愛し、ワインと共に生き、そのために殺人まで犯したエイドリアン・・
敬意と共に彼を見送るコロンボの思いが伝わってきて、何度見てもじ〜んとさせられます。
エイドリアンのキャラも職人気質で変人ちゃー変人なのですが、その生き方はコロンボにも通じます。
努力と信念で自分の殺人トリックを見破ったコロンボにエイドリアンも尊敬と友情を感じたはず。
贐のようにワインのボトルをエイドリアンに抱かせるコロンボ・・・
二人の心が通じ合った温かくも哀しいラストにシビレました。
さて、今回エイドリアンとの会食にコロンボの奥さんも同席するはずだったのですが、
子守をしてくれる子が期末試験中で、他の子もロックコンサートに行ってて頼めず
一緒に来る事はできませんでした( ^∀^ )
原題は「ANY OLD PORT IN A STORM」・・・
PORTって、レストランで出した「フェリエ・ヴィンテージポルト」のことか( ´゚д゚)?
邦題の方が、やっぱりしっくりくるにゃ〜

コロンボいいな〜今週はBSで見てみようかしら?って思ったアナタはポチッとね〜
щ(゚ェ゚щ)
日曜出勤してきた秘書のカレン(ジュリー・ハリス)に会っちゃったから、これも追い返して、協会のみなさんが待っている部屋に急ぐエイドリアン。
で、協会のみなさんにワインを出すんだけど・・・
わたしゃ、このドラマを見て初めて「デカンタージュ」って行為を知ったョ・・・
その頃は、ワインを飲むってこと自体がそれほど一般的ではなかったと思うんだけど
(あくまで田舎での話ね)
ワインってこんなふうに飲むんだ〜と恐れ多いもののように思いながら見てました。
さて、このワインをデカンターに移すという行為は非常に難しいらしい。
弟をぶん殴るという生涯初めての行動をしたエイドリアンは手が震えてるのを知られるのを恐れて、協会のファルコンさんにやらせてました。
その後、「今年の人」にも選ばれ、協会の皆さんが帰った後、
エイドリアンは、リックの手足を縛ってワインの貯蔵庫へ。
この時はまだリックは息をしていたんだけど、空調を切って徐々に窒息させるって腹さ・・・
(そんな密閉状態になるんだ〜(´・∀・`)ヘー)
その後すぐに自分はワインの競売のために1週間ほど出張するからアリバイはバッチリなのです。
弟の乗ってきた派手なスポーツカーは自分の車庫にしまって・・と。
出張中に結婚する弟に「今年の人」に選ばれた報告と結婚のお祝いとして5千ドルの小切手を送るようカレンに命じるエイドリアン・・・
競売では1本5千ドルもするワインを手に入れてましたが、これは自分へのプレゼント?
出張から帰ると、すぐに貯蔵庫に入れておいたリックの死体にスキューバーダイビングの装備をさせて、ダイビング中の事故で亡くなったと見せるために崖から落とすのでした。
そばにはリックの車を置いといて・・・
エイドリアンはどうやって帰るのかしら?って思ったら、ちゃんと折りたたみ式の自転車を積んでいて、それで帰ってましたわ・・
私なら、忘れて歩いて帰るハメになるわ・・・
翌日、リックの死体が海で発見され、エイドリアンの目論み通り、
事故として処理されそうになるんだけど、担当したのがコロンボ(ピーター・フォーク)だった。
検死によって死亡日時が特定されたんだけど、亡くなったと思われる日は雨だった。
雨の日にスキューバ・ダイビングをするだろうか?
さらに、恋人が焼餅を焼くほど車に愛着を持っていたリックが雨の日に幌も出さずに
野ざらしにしておくなんて・・・
それに車には雨の跡が残っていなかった・・
辻褄の合わないことは許せないコロンボ・・・スイッチが入りましたぞ。
で、まず、コロンボは容疑者と思われるエイドリアンを知るために、
ワイン工場の見学客としてやって来ました。
その後、エイドリアンに会いに行くんだけど、あのヨレヨレのコートを着て、
名乗らないもんだから「就職の件であれば、人事課は9時から5時まで開いてます」って言われてたわ〜
さて、刑事と自分が殺した人間について話す時が勝負ですョ・・
わざと大げさに嘆き悲しむのは初心者、仲が悪かったことをオープンにして死んでせいせいしたって見せるのも嘘がないふうに思わせるには一案ですが・・・
エイドリアンは冒険好きな弟は十分生き切ったし、悲しむのは弟も喜ばない・・と
高度な表現をしておりました。
その時、コロンボはエイドリアンが食事の時間に合わせてワインのデカンタージュしているのを知り、「これだけは誰にもまかせたことがないんですよ」と聞かされるのよ〜
この時点で、コロンボにワイン知識はゼロ。
「何だかおわかりですか?」とエイドリアンに聞かれても、もちろん答えられませんでした。
例によって、「ワインの勉強に来ていいですか?」とつなぎをつけるのでした。
その後、解剖報告でリックは死ぬ前の二日間、何も食べていないことがわかり
コロンボは殺人だと確信したようです。
さらに、ワイン協会の皆さんにリックがエイドリアンに会った日のことを尋ねたら
エイドリアンがワインを取りに行くために4,5分の間席を外した事、
デカンタージュを人にまかせたことから彼への疑惑を強めたようです。
で、捜査を本格的に始める前に、酒屋の親父にワイン指南をお願いしてましたわ〜
「あんたなら、ワインについては大抵誰より知ってるって・・」コロンボ
「違うね。全てを知ってる」親父
「知ってること全て教えてくれない?」コロンボ
「わしゃ、40年かかって道を究めたんだよ」親父
「じゃぁ、あの・・・1時間半でどれぐらいできる?」
「ほんの基礎だけだね・・」親父
「まずね、並の酒と上等のはどこで見分けるの?」
「それは・・・値段だね」
さて、特訓の成果が出たのか、次にエイドリアンと会った時には、出されたワインを
『バーガンディのピノノワール』だと当てて、彼をびっくりさせることに成功しましたョ〜
プロは同じように尊敬できる本物のプロにしか心を開かない・・
コロンボはそのためなら努力は惜しみません。
そして、エイドリアンが買った5千ドルのワインを見せて欲しいとねだり、貯蔵庫に入ることに成功。
リックが亡くなった場所はここだと確信したようです。
さらに、先週ピクニックに行った時にすごく暑かった日があったのを思い出して
奥さんにそれがいつだったのか確認してましたわ〜
仕上げに秘書のカレンの所へ行き、リックがワイナリーに来たのを見た人はいるけど帰ったのを見た人がいないと話すコロンボ。
12年秘書を務め、エイドリアンのことを密かに思っていたカレンは彼をかばうために
リックが帰るのを見たと証言するのでした。
それを聞いて、その場でエイドリアンに電話するコロンボ・・・
疑ったお詫びに二人を食事に招待すると誘っておりました。
で、予約しておいた高級レストランへ行くのですが、例によってヨレヨレコートに冴えないスーツ姿なもんだから、調理場のドアの前の席に案内されちゃいました。
エイドリアンが到着して怒ったら、すぐにいい場所に変えてくれたけどね・・
食事もつつがなく終わり、エイドリアンにワインの選択についても褒められ、
あとは食後のワインだけ・・
コロンボが選んだのはワイン通なら目の色を変えるフェリエ・ヴィンテージポルト45年もの。
エイドリアンの目もギラギラと輝きだしました。
んが・・・一口飲んだ途端に失望した表情に・・・
「飲むに耐えんな!
偉大なるワインは偉大な美術品と同じなのを知らんのか?
細心の注意をもって保存すべきなのに、君はこのポルトを40度以上という高温に置いていたに違いない。
そのような無神経さは許せないし、また許すべきでもないんだ!!
払う必要はありませんぞ。このワインは加熱のために酸化している。
このようなものを出すとは侮辱だ!!」
怒って店を出て行っちゃったぞ・・・
「食い逃げはあの手にかぎりますなぁ・・よく覚えておこう」
外に出た後、何気に先週暑くて気温が40度ぐらいまで上がったことを伝えるコロンボ・・
エイドリアンの目に衝撃が走りました。
「じゃ・・・いずれにしろ、もうお目にかかることもないでしょうが」コロンボ
カレンが彼のために嘘をついたことを知ったエイドリアンは
「単なる従業員なんだから、君まで危険を犯すことはなかった」と責めてました。
あくまで愛情はないことを強調するエイドリアンの態度に腹を立てたカレンは
秘密を共有したことを盾に結婚を迫るのでした。
ワインのことなら知らないことはないエイドリアンだけど、女心については
未知の領域・・・
かなり困った事態に追いつめられましたぞ・・・
さて、カレンを降ろしたエイドリアンはワイナリーへ・・・
高温でダメになってしまった貯蔵庫のワインを全て車に積んで、海へ投げ捨てるという行為にでました。
貴重で高価なワインが次々と海に放り投げられ、エイドリアンの顔は無念の思いでゆがんでおります。
で・・・車に戻ったエイドリアンはコロンボが待っているのに気づくのでした。
「全部、いかれちゃったんでしょ・・?
気温の急上昇が命取りでしたね・・
あの日の暑さの話をすりゃ・・あなたにはピンとくると思った。
遅かれ早かれ、ダメになったワインを捨てにくると踏んだわけです。
あれを捨てるなんて、死ぬ思いだったでしょう・・・」コロンボ
「人には想像もつかんでしょうな・・・どうしてわかりました?」エイドリアン
「どうしてでしょうな・・」
実は、コロンボは貯蔵庫を見せてもらった時、ワインを一本くすねていたのさ・・・
それがレストランで出した「フェリエ・ヴィンテージポルト45年もの」
このワインが高温のためにダメになっているのがわかるのは、世界でもエイドリアンを含む数人だけ・・
彼は自分で自分の犯罪を証明してしまった・・・
証拠はないから、彼の自白に頼るしかないんだけど彼は全てを自供すると言ってくれました。
エイドリアンはほっとしておりました。
カレンに結婚を迫られたのがよほど嫌だったらしい・・・
「刑務所は結婚より自由かもしれませんな・・・」
エイドリアンが「全生涯を通じて、私が真に愛したのはここだけだった」というワイナリーの前で車を止めたコロンボはワインとグラスを差し出しました。
「ほっほほ・・・モンテフィアスコーネ!
最高のデザートワイン・・・それに別れの宴に相応しい」
「よく勉強されましたな・・」エイドリアン
「ありがとう。何よりも嬉しいお褒めの言葉です」コロンボ
目を見つめあい、イタリア式の乾杯をする二人・・・
「はっはっは・・・」笑い声をあげるエイドリアンにワインの瓶を抱かせて、微笑み・・・
コロンボは車を走らせるのでした。
いいラストです。
ワインだけを愛し、ワインと共に生き、そのために殺人まで犯したエイドリアン・・
敬意と共に彼を見送るコロンボの思いが伝わってきて、何度見てもじ〜んとさせられます。
エイドリアンのキャラも職人気質で変人ちゃー変人なのですが、その生き方はコロンボにも通じます。
努力と信念で自分の殺人トリックを見破ったコロンボにエイドリアンも尊敬と友情を感じたはず。
贐のようにワインのボトルをエイドリアンに抱かせるコロンボ・・・
二人の心が通じ合った温かくも哀しいラストにシビレました。
さて、今回エイドリアンとの会食にコロンボの奥さんも同席するはずだったのですが、
子守をしてくれる子が期末試験中で、他の子もロックコンサートに行ってて頼めず
一緒に来る事はできませんでした( ^∀^ )
原題は「ANY OLD PORT IN A STORM」・・・
PORTって、レストランで出した「フェリエ・ヴィンテージポルト」のことか( ´゚д゚)?
邦題の方が、やっぱりしっくりくるにゃ〜

コロンボいいな〜今週はBSで見てみようかしら?って思ったアナタはポチッとね〜
щ(゚ェ゚щ)
matakita821 at 15:19│Comments(0)│「刑事コロンボ」
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1. 「刑事コロンボ/別れのワイン」 知的興奮を楽しもう 3 [ ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋 ] 2009年12月09日 10:05
「刑事コロンボ/別れのワイン」
酒文化に興味をもつきっかけの作品。
【原題】COLUMBO: ANY OLD PORT IN A STORM
【公開年】1973年 ??..
2. 刑事コロンボ・別れのワイン [ 映鍵(ei_ken) ] 2010年01月31日 15:58
コロンボシリーズによくある犯人像である「地位の高い善良な市民」が、今回も主人公。ワインに関する専門用語がたくさん出てきて、シロウトにも参考になります。
3. 刑事コロンボ「別れのワイン」 [ のほほん便り ] 2014年07月31日 12:08
個人的に、我「刑事コロンボ」のベストワンは、この「別れのワイン」です。(時点は、「忘れられたスター」だった… かも)とても、性格の異なる、腹違いの兄弟がいて、兄・エイドリアンは、愚直なまでの、ワイン・ラブで、弟は、かなり奔放な遊び人。兄は、採算を度外視し