「アイシテル〜海容〜」 第7回「スマイル」 第7回

2009年05月29日

「臨場」 第7話  「ユズリハの家」

 さて、今回倉石(内野聖陽)が臨場したのは鴨居から帯をかけて首をつって死んだと思われる老人の死亡現場。
第一発見者は娘の祥子(藤真利子)で、知らせを受けた夫の直樹(中村育二)が
動転して鴨居から降ろしたために、現場保存はされていなかった。
 遺書もあり、寝たきりではあったが移動は可能だった義太郎(西沢利明)の自殺に間違いはなさそうだったが、倉石の見立ては違った。

 「仏の自殺未遂を利用して、とどめをさした殺しかもしれねぇ・・」

・鴨居から首をつったんなら顔面が蒼白になるはずなのに、うっ血していた。
・義太郎の首には何か付着していた
・右足の甲と裏にうっ血の痕があった。
・そばにあった箪笥の取っての一つが緩んでいた。

 これらのことから、義太郎は箪笥の取ってに帯を通し、一方を自分の首にかけ、もう一方を足に巻いて自分の首を締め上げたと倉石は推理したんだね。
で、その後に誰かが首を絞めて殺して、鴨居で首をつった様に偽装工作したと。

 司法解剖の結果、倉石の説は証明され、科捜研の検査によって首についていたのは松ヤニだと判明。
松ヤニは野球のロージンバッグにも使われているために、野球部に所属していて
義太郎死亡時刻に、学校をサボっていた孫の義樹が疑われる。
 んが、ロージンバッグに松ヤニは含まれるが、科捜研で検出された成分とは一致しなかった。

 その後、同じく会社に行かずに図書館で時間をつぶしていたという直樹に容疑が向かう。
直樹には多額の借金があり、旧友から沖縄の物産店を手伝うよう頼まれていたが
この家を離れたがらない義太郎の存在がネックになっていたらしい。
さらに、直樹の会社では「ロジンアート」という松ヤニを使った商品を扱っていた。

 再び現場を訪れた倉石は、義太郎は「死ぬために生きているなんて何の価値もない」が口癖で死にたがっていた事を祥子から聞かされる。
さらに、「人間には自分で死ぬ権利がある」と。

 「検視ってのはな、結果から原因を考えるものなんだ。
仏が語ってくんだぁ〜
自分で死のうとしたが死にきれませんでしたってな・・
誰かが自殺を幇助した、あるいは殺害の意志があった殺人だってな」倉石

 さて、所轄では、図書館での目撃情報もなかったことから直樹に任意による同行を求めることに。
それに同意して、署に向かう直樹たちにストップをかける倉石。
「もう一度家ん中に入れ」

 義太郎さんに止めをさした人物は手に松ヤニをつけていた人物・・・
そして義太郎さんの首に圧痕はほとんど残っていなかった。
「犯人は優しかった・・・」倉石

 義太郎さんの首をしめたのは娘の祥子・・・
祥子は音楽学校出でヴァイオリン奏者だった。
で、その弓の手入れ用に使う松ヤニが検出された成分とぴったり一致したのだった。

 寝たきりで家族に世話をかけるのをすまないと思っていた義太郎さんは
ずっと死にたがっていた。
死に切れず祥子に発見された時も「死にたい」という義太郎の声が祥子には聞こえたんだね・・
 祥子としては義太郎の願いを叶えたってことなのかもしれないけど・・
それと死にたいと言い続ける義太郎を励ますのにも疲れてしまったのかなぁ・・

 「俺は生きてる人間のことはよくわからねぇ・・
だが、死んだ人間の心持は少しはわかる。
アンタが歯をくいしばりながら父親を楽にしてやろうとしていた時、
義太郎さんは、まだちっちゃいアンタにウェハース付きのアイスクリームを食べさせてやったことを思い出して嬉しかったに違いねぇよ。
だがな、アンタがやったことは許されることじゃねぇ、決してな」倉石

 祥子や家族の辛さを知った上での倉石の言葉でした。
玄関脇にあったユズリハの木を大切にしていた義太郎さん・・・
「新しい葉っぱが成長すると、古い葉っぱは落ちていく。
葉の入れ替わりがはっきりしてるから譲る葉と書いてユズリハっていうそうだ。
別名、親子草・・」
倉石は祥子にいい聞かせていましたね。

 どんなに死にたがっていたとしても、ユズリハの葉が自然と朽ちて落ちていくように最期まで生き抜いて欲しかったたってことでしょうか・・
それが義太郎さんの本音だったと。
最期まで生き抜いてこそ、人生といえる・・・
無理やり葉をむしるようなことは、人として絶対に許されるべきではない・・というのが倉石の意志なんですね。

 状況を考えると祥子の気持はよくわかるし、同じような場面に遭遇したら
私も楽にしてあげようか・・ってなると思います。
「死ぬ権利」については、理解できるけど賛同はしないって感じかな・・・
論理的にその理由を説明できたとしても、なんか納得できないものがあるっつーか・・・
今のところ「死ぬまで生きるものだから」ってぐらいしか言えないけど・・・

 そして立原(高嶋政伸)の父親はこの事件の捜査中に亡くなった。
入院中だったのか、状況はわかりませんが生を全うして亡くなったんでしょうね。
捜査しながらも立原の胸中には葛藤があったでしょうね・・
 「倉石・・俺達毎日嫌ってほど死体を見てるが、葬式に立ち会うことってめったにないな・・」

 肉親にとっては「死体」じゃないんですよね・・
亡くなってしまっても大切なその人自身に変わりはない。
なんだか立原らしい言葉でした。
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1. 臨場 第7話:ユズリハの家 作られた不自由な死  [ あるがまま・・・ ]   2009年05月28日 22:24
娘が父を…(・´(エ)`・)ショボーン 身体が不自由なのを苦にし、家族に迷惑がかかると常日頃から死にたいと 遺書をしたためてた義太郎@西沢利明。 その辛さをわかってた為に、自殺を試みたものの死に切れなかった父の首に 手をかけてしまった娘・祥子@藤真利子。 これは...
2. 「臨場」第7話  [ 日々“是”精進! ]   2009年05月28日 22:59
臨場第7話「ユズリハの家」寝たきりの老人、義太郎の変死体が自室で発見された。同居する娘の祥子夫婦の証言によると、義太郎はかもいで首をつったらしい。だが倉石の検視では、かもいで首をつって死んだような痕跡は発見できない。首すじの付着物などの状況から見て、誰...
3. 臨場 第7話  [ 渡る世間は愚痴ばかり ]   2009年05月29日 00:44
70代の老人の変死体が発見された。 遺族の供述によると 老人は左足が不自由なため、寝たきり状態で 鴨居にロープを使って首を吊って亡くなったというが そのままでは偲びないと遺族が鴨居から下ろして 綺麗に布団に寝かせてしまったと言う。
4. テレビ朝日「臨場」第7話:ユズリハの家 〜作られた不自由な死  [ 伊達でございます! ]   2009年05月29日 07:42
見事な構成と展開でしたが、残念な点がひとつ。倉石がひとり証拠を探し回るまで、祥子のヴァイオリンの松脂がノーマークだったのが、非常に不自然に映りました。
5. 《臨場》★07  [ まぁ、お茶でも ]   2009年05月30日 06:40
台東区、谷中、閑静な住宅街。 臨場要請。縊死による変死。 厄介なことは、鴨居から下がっていた死体を家族がおろして布団に寝かせたこと。 索条痕が首の高上。 顔面うっ血。 左右の眼瞼。眼球結膜に、溢血凡斑を伴った米粒大の溢血点多数。 左右の眼球混濁はなし。
6. 臨場 再放送「ユズリハの家」  [ のほほん便り ]   2016年08月25日 17:46
老人・義太郎(西沢利明)の変死体が自室で発見。倉石義男(内野聖陽)の見たてでは、鴨居で首を吊って一気に死んだような痕跡は認められなず、義太郎が「死にたい」と言ってたことから、家族が、その衝動にとどめを刺した、自殺ほう助の可能性が見えてきます。そして、締め

この記事へのコメント

1. Posted by まこ   2009年05月29日 10:26
老いて子供に迷惑をかけるような事はしたくないなと
常日頃から思ってはいますが、こればっかりは
どうなるかわかんないですもんねー

親子だからの情にうるるんとしつつも・・・
親なら娘を罪人にするような事しちゃダメじゃんと
ちょっと腹が立ったりもしましたわー
てか、藤真利子さん久々に見ました〜
2. Posted by きこり→まこさん   2009年05月29日 18:25
>常日頃から思ってはいますが、こればっかりは
どうなるかわかんないですもんね
ホントそうですよね・・・
自分がお世話になるのもアレだけど、
自分の両親が寝たきりになったら自分に最期まで
世話ができるのか?日々怯えております。
>親なら娘を罪人にするような事しちゃダメじゃんと
もう義太郎さんも精神的にかなり苦しくなっていたから理性を保てなかったんだろうね・・
しかし、ああ毎日「死にたい」と言われちゃ、介護する側も神経の細い人だったらすぐに追い詰められちゃうだろうしねぇ・・
気をしっかり強く持たなきゃアレですよね・・
>てか、藤真利子さん久々に見ました
私も〜
言っちゃなんだけど、老けたな〜なんて・・・(汗

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