2009年03月21日
「大阪ハムレット」 第3巻 森下裕美 著
う〜ん・・毎回読み終わった後、心地よい充足感を与えてくれる「大阪ハムレット」・・・
第3巻も期待を裏切らないおもしろさでしたわ〜
「女忍者の夏」
忍者博物館で働いているミキは給料日が来るとドキドキする。
それは職場を出たところで兄が待っており、うむを言わせず給料を剥奪されるから・・
兄は小さい頃の夢・正義の忍者になるという夢を叶えたのだ。
一人暮らしのおばあちゃんの病院の送迎、職のない人の仕事の世話をしたり、
不良の話を聞いたり、そして生活に困っている人にはお金をあげる。
そんな兄のことを母はりっぱだというし、姪も誇りに思ってるようだ。
でも、ミキにとっては悪魔にしか見えない・・
どんなに一生懸命働いても、兄の正義のために奪われてしまう・・
ミキは自分自身が生きていくために、家族を捨てて大坂に旅立つことを決めるのだが・・
いつもうまいところ突いてくるな〜と思うけど、今回も1本目からやられたわ・・
兄のことを利用している人間の存在を知っても、兄の気持は揺るがない。
自分には決して受け入れることのできない兄の正義。
このままだと、母も兄の娘も兄のために苦労する運命だろう・・と思いながらも
兄のためには生きたくないという思いが勝って、ミキは家族と決別する道を選ぶ。
自分の意志で生きていくってことは、もしかしたらただそれだけで他の人を裏切ることなのかもしれない。
なぜ小さい頃のままでいられないんだろう・・・
あの頃のように兄を追って、一緒に生きられたら・・・
切ないけど、思いっきり泣いた後のようなほっとした気持になれる一編です。



第3巻も期待を裏切らないおもしろさでしたわ〜
「女忍者の夏」
忍者博物館で働いているミキは給料日が来るとドキドキする。
それは職場を出たところで兄が待っており、うむを言わせず給料を剥奪されるから・・
兄は小さい頃の夢・正義の忍者になるという夢を叶えたのだ。
一人暮らしのおばあちゃんの病院の送迎、職のない人の仕事の世話をしたり、
不良の話を聞いたり、そして生活に困っている人にはお金をあげる。
そんな兄のことを母はりっぱだというし、姪も誇りに思ってるようだ。
でも、ミキにとっては悪魔にしか見えない・・
どんなに一生懸命働いても、兄の正義のために奪われてしまう・・
ミキは自分自身が生きていくために、家族を捨てて大坂に旅立つことを決めるのだが・・
いつもうまいところ突いてくるな〜と思うけど、今回も1本目からやられたわ・・
兄のことを利用している人間の存在を知っても、兄の気持は揺るがない。
自分には決して受け入れることのできない兄の正義。
このままだと、母も兄の娘も兄のために苦労する運命だろう・・と思いながらも
兄のためには生きたくないという思いが勝って、ミキは家族と決別する道を選ぶ。
自分の意志で生きていくってことは、もしかしたらただそれだけで他の人を裏切ることなのかもしれない。
なぜ小さい頃のままでいられないんだろう・・・
あの頃のように兄を追って、一緒に生きられたら・・・
切ないけど、思いっきり泣いた後のようなほっとした気持になれる一編です。



さて「テレパシー」前・後編は、第1巻で男気のある、小学校のボスとして登場したユウ君の家の物語です。
お麩工場の社長をやっているユウ君のおじいちゃんはワンマンで従業員だけじゃなく
妻や娘(ユウ君のお母さん)をも奴隷のように扱って来た。
そんなおじいちゃんが脳卒中で倒れ、しゃべることもできず寝たきりになり、
家族の世話を受けることになりました。
おばあちゃんだけは大人しくなった祖父に優しく接するのですが、
ユウ君のお母さんは「ひと言もしゃべれへんのはみんなの救いやわなぁ・・」と
微笑を浮かべ、
昔祖父にいじめられた老人は動けなくなった祖父にペンを突き立てる。
そんな様子を見ていたユウ君はおじいちゃんに言う。
「人生とか考えた?」
いとこの充君は祖父のためにキーボードで打った文字を言語化してくれる機械を
作ってくれた。
でも、そこから聞こえてくる言葉は「しね」「しね」「しね」「ころす」・・・
「ヒトて死ぬような目に遭うても変わらへんもんやろか?
アリガトウ スマンってひと言でいいから言うてくれたら・・・」
母のいろんな思いのこもった言葉を聞いたユウ君は一計を案じる。
このユウ君のキャラがいいんですよ〜
純粋さを持ったおっさんみたい(外見もコワイ)なんだけど、健康で強い意志を持っている。
そして、家族の幸せのためについた嘘に罪の意識を感じている・・・
そんなユウ君に叔父さんは「誰も泣かしたくなかったからやろ。ユウ君えらかった(辛い)な。かわいそうに」と、気遣うんだけど
「いやぁ、大人の方が色々えらいやろ・・」やて!( ̄m ̄〃)
ウソが真になって、そして、ウソと真がごっちゃになって、新たな真が生まれるって感じのラストが良かったなぁ・・
「あいの探偵」前・後編
こちらは「あいの探偵事務所」の中年のおっちゃんが主人公。
子供の頃、母親からネグレクトされたため、愛を渇望しながら生きてきたキャバ嬢のアリサが子供のように純粋に、そしてしたたかに幸せを手に入れようとする姿をおっちゃんが見守ります。
『ウソつきで薄汚いおっちゃんやからこそ人の情け信じたかったんや』という
おっちゃんの言葉が沁みますわ・・・
どの作品からも力の抜けた、でも強い生命力というか、生活する人間の息吹のようなものが感じられます。
読み終わったあと、「普通の人生」が愛しく思えるような漫画です。
ところで、この漫画、ドラマか映画にならないかな〜?と思っていたら
なってたのね・・・(ノ*´Д)ノびっ栗!!
HP覗いてみたら、けっこうイメージどおりかも・・・
わが町には来なかったみたいだから、DVDが発売されるのを待ちます。
「大阪ハムレット」第1巻
「大阪ハムレット」第2巻
映画「大阪ハムレット」

大阪のおっちゃんて、かわいなぁ〜という方、ポチッとな〜d(-∀-*)
お麩工場の社長をやっているユウ君のおじいちゃんはワンマンで従業員だけじゃなく
妻や娘(ユウ君のお母さん)をも奴隷のように扱って来た。
そんなおじいちゃんが脳卒中で倒れ、しゃべることもできず寝たきりになり、
家族の世話を受けることになりました。
おばあちゃんだけは大人しくなった祖父に優しく接するのですが、
ユウ君のお母さんは「ひと言もしゃべれへんのはみんなの救いやわなぁ・・」と
微笑を浮かべ、
昔祖父にいじめられた老人は動けなくなった祖父にペンを突き立てる。
そんな様子を見ていたユウ君はおじいちゃんに言う。
「人生とか考えた?」
いとこの充君は祖父のためにキーボードで打った文字を言語化してくれる機械を
作ってくれた。
でも、そこから聞こえてくる言葉は「しね」「しね」「しね」「ころす」・・・
「ヒトて死ぬような目に遭うても変わらへんもんやろか?
アリガトウ スマンってひと言でいいから言うてくれたら・・・」
母のいろんな思いのこもった言葉を聞いたユウ君は一計を案じる。
このユウ君のキャラがいいんですよ〜
純粋さを持ったおっさんみたい(外見もコワイ)なんだけど、健康で強い意志を持っている。
そして、家族の幸せのためについた嘘に罪の意識を感じている・・・
そんなユウ君に叔父さんは「誰も泣かしたくなかったからやろ。ユウ君えらかった(辛い)な。かわいそうに」と、気遣うんだけど
「いやぁ、大人の方が色々えらいやろ・・」やて!( ̄m ̄〃)
ウソが真になって、そして、ウソと真がごっちゃになって、新たな真が生まれるって感じのラストが良かったなぁ・・
「あいの探偵」前・後編
こちらは「あいの探偵事務所」の中年のおっちゃんが主人公。
子供の頃、母親からネグレクトされたため、愛を渇望しながら生きてきたキャバ嬢のアリサが子供のように純粋に、そしてしたたかに幸せを手に入れようとする姿をおっちゃんが見守ります。
『ウソつきで薄汚いおっちゃんやからこそ人の情け信じたかったんや』という
おっちゃんの言葉が沁みますわ・・・
どの作品からも力の抜けた、でも強い生命力というか、生活する人間の息吹のようなものが感じられます。
読み終わったあと、「普通の人生」が愛しく思えるような漫画です。
ところで、この漫画、ドラマか映画にならないかな〜?と思っていたら
なってたのね・・・(ノ*´Д)ノびっ栗!!
HP覗いてみたら、けっこうイメージどおりかも・・・
わが町には来なかったみたいだから、DVDが発売されるのを待ちます。
「大阪ハムレット」第1巻
「大阪ハムレット」第2巻
映画「大阪ハムレット」

大阪のおっちゃんて、かわいなぁ〜という方、ポチッとな〜d(-∀-*)
- ブログネタ:
- コミック 新作・近作 に参加中!