「上海タイフーン」第5回 「よみがえる女たち」「チーム・バチスタの栄光」第1回

2008年10月14日

「家族の誕生」キム・テヨン監督

 オム・テウン様狙いで見たのですが、おもしろかったですね〜
コレ、まるっきり別々のカップルが出てくるオムニバス映画なのかな〜と思ってたら、最後に繋がってびっくりでしたよ・・・

 ミラ(ムン・ソリ)は、音信不通だった弟のヒョンチョル(オム・テウン)が戻ってくると連絡が来てウキウキムード。
恋人との約束もキャンセルして「2人で過ごしたいから」と料理を作って待っていたんだけど・・
 再会を喜ぶ間もなく、自分よりもあきらかに老けているムシン(コ・ドゥシム)という女性を嫁として紹介されてギョッ・・・

 明るくて気はいいんだけど頭もあまりよろしくなさそうな弟に対して、
しっかり者で潔癖な姉はストレスを溜めながらも、3人での生活を始める。
ムシンさんは、夜の商売でもしていたのでしょうか・・?
煙草をくわえながら、鼻歌を歌う姿も堂に入ってます。
そのルーズな雰囲気を受け入れる事ができないながらも、弟と本当に仲良く、ラブラブな様子に見守るしかないとあきらめふうのミラ・・・
微妙な距離を保ちながらも穏かな暮らしが続いていたある日、チェヒョンという女の子がヒョンチョルを訪ねて来た。

 ヒョンチョルがいう事にゃ、ムシンの元亭主の前の女房の子供だそうな・・・
まるっきり血が繋がってないじゃん!・・って、ホントはムシンの子なのか?
ムシンは子供を元の場所に戻そうとするんだけど、ヒョンチョルは引き取る気満々・・
金もないのに無責任な発言をするヒョンチョルにさすがにムッとするミラ。
 この時のケンカでわかったけど、ヒョンチョルはやりたい放題に過ごしてきてムショにも入っていたらしい。出所後もキチントさんの姉がけむたくて連絡を取ってなかったんだってよ・・

 すっかり拒絶ムードになったミラ・・・
ムシンも肩身が狭い・・・
両方に気を使っていたヒョンチョルはイライラして姉の財布から金を抜き取って、
飲みに行くと言って、そのままどこかへ消えてしまう。
家族の誕生

ここからはネタバレです。

 で、帰ってこないヒョンチョルを、しばらくは2人で待っていたけど、
ムシンはチェヒョンを連れてミラの元を去って行くのよね・・・

 で、次のエピソードは母親との確執を抱えている観光ガイドをしている
ソンギョン(コン・ヒョジン)の話。
若い頃からモテモテの美人さんだった母メジャ(キム・ヘオク)は、男から男へと渡り歩いて、娘の存在を無視してきた模様・・・
今は妻子ある男性ウンシク(チュ・ジンモ)(パンチーム長だ〜!)の愛人をしており、
幼い息子もいる。

 その相手とケンカをしたのか、荷物を持って急に部屋にやってきたが、すぐに冷たく追い返すソンギョン・・
その後にウンシクがやって来て、「メジャは病気で長くない」と伝えるんだけど、
治療費ならない!と、これまた追い返すソンギョン・・
恋人ともうまくいっていない・・

 それでも、やっぱり気になるのか、母がやっている雑貨屋を覗きに来ては悪態をついて去って行くんだけどまた来てる・・
お母さんの愛情を感じたいのに素直になれない・・心配なのに冷たくしてしまう・・
義理の弟のギョンソクもいぢめてしまう・・
 でも、ギョンソクの宿題をやってあげているメジャに呆れているかと思えば、
次の場面では一緒に手伝っていたり、自分の代わりに運動会に出て欲しいと頼まれてもつっぱねるのに、ちゃんと参加してギョンソクと添い寝したりしている。

 「愛」の取り扱いに慣れていないソンギョン・・恋人も信じられない、
母親からもどうせ見捨てられている、何もかもが憎らしい・・・
母の愛人ウンシクの家に突然現われて、家族がいる前で「私の母を愛してる?!」と詰問したりする。
 でも、最初は無言だったウンシクの「愛してる・・・君の母さんを愛してる」という言葉を聞いて少しびっくり・・・この2人の間にも真実が?
この場面良かったですね・・・何か、普通に答えてるのがリアルな感じ・・・

 で、そんなこんなから逃げ出そうと海外を回る船上での仕事に転職することにしたんだけど、母は亡くなってしまう。
幼い弟と2人の寂しいしらけたお葬式。
 一人になって、母親が置いていった鞄を開けて見ると、そこにはソンギョンの小さい頃の思い出の品が詰まっていた。
鞄にぎっしりと詰まった母親の愛情・・・
それを見ながら、初めて声をあげて涙を流すソンギョンなのでした。

 そして、映画のオープニングで出てきた、列車で知り合ったカップル、
ギョンソク(ポン・テギュ)とチェヒョン(チョン・ユミ)のエピソード。
優しくて困っている人を見るとほっておけないチェヒョンはいつも人の事で一生懸命、
お金を貸してあげたり、不幸のあった友達を慰めたり、いつもギョンソクの事は二の次・・・
そんなチェヒョンに嫉妬とイライラを募らせるギョンソクといつもケンカになってしまう。

 姉との食事にも現われなかったチェヒョンは、まいごになった子供を捜していたらしい・・
さすがにキレて別れを切り出すギョンソク。
「君の隣にいるとたまらなく孤独だ。君に僕は必要ない・・・」ギョンソク

 チェヒョンの優しさは頭では判るんだけど、感情では許せないギョンソク・・
チェヒョンの事が大好きだから、もっと自分の方を見つめて欲しい・・
そんな純粋な思いが伝わってきました。
 そして、どうしてギョンソクはわかってくれないんだろう・・というチェヒョンの悲しみも。

 やっぱり彼女の事が忘れられず、出会った時と同じようにゆで卵とサイダーを持って列車の隣の席に坐るギョンソク。
お互いに大切な存在だと気づいた二人は、少しづつ歩み寄って行くんでしょうね・・

 で、ラストにチェヒョンが家に着いて、お母さんが出てきて初めて気づいたよ〜!
チェヒョンはあのムシンのところにやって来た娘だったんだね〜
今ではすっかり気さくで楽しいおばさんになっているミラと親子のようになっているムシン・・
ギョンソクを無理やり家にひっぱりこんで、食事食べさせてましたよ〜

 で、ムシクの事に気づいて、またやっと、ギョンソクってあのソンギョンの小さな弟か〜!ってわかったよ〜
お姉さんメガネかけてるし、すっかり変わってたからわかんなかったよ〜
私だけ?
名前言ってたのにねぇ・・

 ソンギョンは結局あの弟を引き取って一緒に生きてきたんだね。
ギョンソクが自分の母親の事を「ルーズな人だった」と言った時に
「情の深い人だった」と答えてましたね。
 時の流れと共に、ソンギョンは母親を許して、ありのままの姿で受け入れられるようになっていたんだね。

 チェヒョンの性格にも納得がいったわ〜
最初、こんなに人に尽くしすぎるのって、逆に病んでるんじゃ?とか思ったのですが、
血の繋がらないムシンとミラに育てられたチェヒョンは、誰よりも人間同士の絆の大切さを知ってるのかもしれません。
他人の自分にたっぷりと注がれた愛情を、みんなにも分けてあげたい・・
そんなチェヒョンの事を徐々にギョンソクも理解することでしょう。

 で、みんなで楽しくキムチ作りをしている時に、突然お腹の大きい嫁を連れて戻って来たヒョンチョル・・
ちょっと金持ふうになっていましたよ〜!
 そんな弟を追い出して鍵をかけてしまう姉ミラ・・・(* ̄m ̄)プッ
家族とは血縁だけで繋がってるものじゃない、縁と愛情でつくりあげるものってことでしょうかね・・・

 言っちゃなんだけど、キャストのみなさんがそんな美男美女って訳でもないところが逆に良かったわ〜
どの方の演技も自然で、ご近所で見てるような感じ・・・いい映画だったわ〜
ラストの合唱の場面は、ん?って思っちゃったけど・・・(; ̄ー ̄A
 エンドロールの駅で出演者達がすれ違う場面も粋でしたね。
この監督の他の作品も見て見たいです。

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matakita821 at 17:44│Comments(0)TrackBack(0)映画 

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