「韓国版 魔王」第9話「あんどーなつ」第10回

2008年09月08日

「韓国版 魔王」第10話

 さて、お姉さんと会っているスンハ(チュ・ジフン)(領)は優しく手を取り
「ごめんよ・・姉さん・・こんなふうに一人にしてごめん・・」
医師から、姉の病状の説明を受けるスンハ。
糖尿病で低血糖の症状が頻発しているらしい・・
原因は何かのストレスだって・・・よく眠れないし食欲も落ちてるんだって・・
「弟さんが恋しいんでしょう」医師

 はっきり言って、日本版ではお姉さんの死期が迫ってるって言われても、
どこが悪いんだかさっぱりわからなかったんだけど、糖尿病だったのね・・

 眠っている姉の側に立っているスンハは、過去の、友達との会話を思い出していた。
花屋の前で、黄色い花の匂いをかいでいた少年。
「すごくいい匂いだから姉さんも好きなんだ」
 姉のために持って来た、その同じ花の香りを知ろうとするスンハ・・

 花の事を教えてくれた少年は、スンハと同じ年頃でした。
2人は仲良しだったのでしょう。
お姉さんと一緒にいる時のスンハはいつもの人を突き放したような雰囲気ではなく、
優しいけれど、姉に触れることを恐れてるふうでした。

 「神曲」の本の間から見つけたオス(直人)宛ての赤い封筒には、
手紙と「月」のタロットカードが入っていた。
手紙には『この地獄から逃れる唯一の道は自分を守ることだ』

 「「月」のカードの意味は「待つこと」。
この絵にあるように今は夜なんです。
今は何も見えず、不安な状態だから、明るくなるまで待てということです。
この月は下界の女神を象徴し、魔女を現すことも。
謎めいたことが起こるという意味です。
でも、その謎に対し人間にはなすすべはありません。
動くほどに混乱するので今は待てと命令しています」ヘイン(しおり)
「もし待たずに動いたら?」オス(直人)
「人が死にます」ヘイン 

 「残像を故意に植えつけられるなら、残像を残さないようにもできますか?」
オス・・・なかなか鋭いぞ!
「それはわかりません。
残像に見える場合と見えない場合がありますから」ヘイン
過去に自分の能力について、神父さんに相談した時、神父さんの持ち物から
残像を見ようとしたけど、何も見えなかったんだって・・
そして、ヘインの能力についてこう言ったそうな・・
「この世で起きることは全て理由があるから、神様からの贈り物を大切に使いなさい」と。 

 ヘインの残像で視えた「地獄の門」の写真が駅の中にあるものだと思ったオスは
その近辺にあるロッカーを見張ることに。
一方、ヘインは「神曲」の本を手に取り、残像を読み取ろうとするけど何も見えない・・・
何故?
 視える残像と見えない残像・・・その違いは何なのか・・

 記者のジュンピョ(池畑)は12年前、オスの事件に関する記事を書くよう頼んだ叔父(当時の校長)を訪ねていました。
どうやら、当時忙しかったジュンピョは、叔父の作った草稿を信用して記事を書いたようで
事件の加害者がドンヒョン(栄作)の息子のオス(直人)であるとは知らなかったのです。
 ドンヒョンの汚職事件を暴く記事を書いたジュンピョが、かってその息子を擁護する記事を書いていたなんて・・記者として耐えられないと怒るジュンピョ・・
「名誉のために僕を利用したんですか?カン・ドンヒョンの圧力ですか!」

 日本版の高畑は、直接栄作に頼まれて記事を書いていたんだけど、
韓国版では叔父が間に入っていたために、よくわからずに記事を書いていたんだね〜
てか、ちゃんと裏取ってから書けよって気もするけど、これで魔王様に恨まれるんじゃねぇ・・

 さて、グァンドゥ事務長(スンハの所の事務長)は、もう刑事辞めたのに誰よりも手早く捜査を進めてるよ〜
ちゃんと弁護士事務所の仕事はしてるのかな〜?
かっての同僚であるキムチーム長を訪ね、テフン(英雄)の弟テソンの死因について聞いてましたよ〜
 テソンの死因は交通事故(ひき逃げ)。
顔の損傷が激しく、確認ができなくて、遺品と学生証で身元を確認したんだって・・
遺体はすぐに火葬して埋葬されたそうな・・

 さて、寝る間も惜しんで捜査を続けるオス(直人)が心配でたまらないミンジェ(高塚)。
「体のことも考えなさいよ!もっとパートナーを頼ってよ!」とマジでオスに怒ってます。
「ありがとな、心配してくれて・・お前も成長したな」と頭をなでるオス。
オスにとってはかわいい後輩でしかないみたいですな・・
何だかせつないミンジェ・・・

 ソラの母親ヨンジュンと面会するスンハ(領)。
「あなたに殺意はなく、ガス銃で死に至るとも思わなかった」
「いいえ、私はあの人を殺したかったんです!」ヨンジュン
「あなたは悪くない」スンハ
「私にガス銃を送ってきた人・・その人のせいで私は人殺しになったんです!
何故、私をこんな目に会わせたの?その人がとても憎い!」
 強い言葉で訴えるヨンジュンの言葉に苦しそうな表情を浮かべるスンハ。

 第8話ぐらいで、グァンドゥ事務長に犯人は何故スンハを事件に関わらせるのでしょう?と尋ねられた時、弁護士なら犯人が利用した人間を助けることができるからでは?と答えていたスンハ・・
 日本版を見てた時は、領が弁護士になった理由は芹沢家に潜入するためぐらいにしか思ってなかったのですが、弁護士になったのも復讐計画のうちだったんですね。
 でも、利用された人間の気持ちまでは考えていなかったようで・・・

 ソラの母親を罪人にしてしまった罪の意識からか表情が冴えないスンハ・・
で、図書館で働いているヘイン(しおり)を棚の影からじっと見つめます。
そしてその後、教会の告解室に入るのですが、神父様の気配を感じると部屋から出て、
十字架に背を向け、決意した表情で教会を出て行くのでした。

 韓国の人にとって教会がどのような存在なのかというのがいまいちわかりませんが、
スンハは寄付もしてるし慈善活動も定期的に行ってるみたいなので
子供の頃から身近な存在だったのかな?
 そういう存在に背を向けて、教えを裏切る行為をしているというのは
無宗教の人間がするよりも深い罪の意識を抱えなくてはならないよね・・
今のスンハにとって、教会は神に背いている自分の確認と復讐心を燃え上がらせる場になってるのかもしれない。

 駅のロッカーで張っていたオスはヨンチョル(山野)がロッカーから何かを出すのを見て、奪い取って封筒をびりびりと破り中身を確認。
ちょっと、アンタ!その封筒赤くもないし、普通の封筒ですのに!

 「お前がここに来たのは本当に偶然か?!
俺がここにいるのを知ってて来たんだろ!
不安にまみれた俺の姿を見に来たんだろ!
そんなに楽しいか?!(ヨンチョルに掴みかかるオス)
やるなら自分でやれよ!他人を利用しないで自分の手で殺してみろ!」オス
必死で止めるミンジェ(高塚)・・
「同じだな・・何も変わっていない。お前は今もワルのままだ。
テフンも言っていた、お前は卑怯者だって」冷たく言い放つヨンチョル。
 
 過去を思い出し、呆然と立ちすくむオス・・・
代わりにヨンチョルに謝り続けるミンジェ。

 オスは思いつめた表情で家からヘイン(しおり)を呼び出します。
「月」のカードを出して、次の被害者のヒントを早く掴みたいと訴えます。
そのただならぬ様子に気づいたヘインは
「夕食食べました?まだでしょう?」と聞くのでした。

 ヘインが、その「月」のカードを視ると「コンビニの前にいるピエロ」が・・・
韓国では新装開店とピエロはつきものらしい・・
すぐに開店したばかりのコンビニを調べに走ろうとするオスに
「手紙の内容覚えていますか?
犯人は刑事さんがダメになるのが見たいんです。
自分を見失って混乱に陥ること、それが地獄です。
自分を守るには体力が必要です。
刑事さんを信じていますから・・・」
 ヘインの言葉にこわばっていたオスの表情が少し弛んだョ・・

 で、しばらく帰ってなかった家の呼び鈴を押そうとするんだけど、止めて、
署の椅子に坐ったまま眠るオス。
自宅ではお父さん(栄作)がオスの部屋で心配そうにしてるわ〜
 こういう所が日本版と違うかな・・

 署で寝ていたオスは12年前の事件の夢を見ていた。
テフン(英雄)の胸にナイフの刃を向けずを押し付けただけなのに、
テフンが倒れてきて、刺さってしまった。
あの時の驚愕が蘇る・・・

 ここで初めて12年前の事件は事故だったと分かるわけです。

 さて、自分の不倫が世間にばれるのではとビクビク過ごしているソクジン(葛西)
なのに、スンギ(宗田)に「ヒス兄貴(劇団ひとり)は知ってるのか〜?」と言われどなり合いに発展。
 部屋を出たソクジンはオスに電話をかける。
「俺はお前を信じてる・・刺す気はなかったって信じてる。すまない・・・本当にすまない」
 ソクジンもオスを裏切ってる事に苦しんでいたんだね・・・
その後、眠れず一人闇を見つめるオス・・・
 そして、スンハ(領)もどこかの屋上から下界を見下ろし悪魔の微笑を浮かべていたのです。

 朝、日本版と同じようにジョギングしているドンヒョン(栄作)の元にジュンピョ(池畑)が接近。
12年前自分が書いた誤った記事を正したい(事故→殺人)から詳しく聞かせてほしいんだと・・
もちろん、冷たくあしらうドンヒョン。
 で、その後ソクジンに電話をして「キョン社長に連絡を取れ」って言ってましたよ〜
多分、キョン社長が大隈(嶋田久作)なんでしょ?

 ヘイン(しおり)は図書館でこの前見ることができなかった「神曲」の残像を必死で読み取ろうとしていた。
「ソクジンとナヒ(麻里)の写真を赤い封筒に入れる手」
「道路工事の人が新装開店したコンビニに荷物を持って入る姿」が見えた途端倒れてしまう。

 で、たまたま図書館に来ていたスンハが病院に連れて行くの。
ベッドに眠っているヘインをじ〜っと見つめるスンハ。
その頬に触れようとするんだけど・・・思いとどまる。
 そこにオスからヘインの携帯に電話が入り、躊躇なく出るスンハ。
「何故あなたが?」オス
「今、寝ているので代わりに取りました」スンハ
「どういう事です?!」オス
「そのままの意味です。又、かけなおして下さい」スンハ
 ショックを受けるオス・・・「クソッ!!」壁を蹴ってたぞ・・

 新装開店したコンビニ廻りをして、宅配の記録を調べていたオス達は
ジュンピョ(池畑)宛ての送り状を見つける。
送り主は不明だが、持って来たのは帽子をかぶって口が聞けず足をひきずっていた男らしい。

 その頃、ジュンピョ(池畑)は12年前のオスの事件を調べ直して、オスの一家のせいで
悲劇に見舞われたテフン(英雄)一家の事を書くために、弟テソンの死因を調べていた。
 そして、事故現場近くで商店をやっている親父から意外な話を聞いていた。
死んだテソンは家出少年で、同じような少年といつも一緒にいた。
事故を通報したのももう一人の少年らしい・・

 事故の翌日、店を開けたら、その少年にが立ち尽くしていた。
その子の名前は死んだ次男坊と同じだったからよく憶えていたんだって・・
「それにしても妙だった・・・「テソンは遠くへ行ったんです・・」と言うんだ」親父
「それが何故妙なんです?」ジュンピョ
「妙なんだ・・テソンって言うのは死んだ奴の名前じゃない。
生きてるほうがテソンと呼ばれてたんだ・・
「テソンはお前だろ?」と確かめたら、「いいえ、僕の名前はスンハです」と言ったんだ」

 その頃、スンハは青ざめた部屋の中でオルゴールから取り出した、
2人の少年が写っている写真をみつめていた。
だいたい日本版と同じような展開でしたね。
ここで、スンハと少年が入れ替わったようだが・・・とわかって、やはりスンハが真犯人じゃろ!となる訳です。

 日本版の池畑は栄作に口止め料としてすぐに金を要求していましたが、
ジュンピョは記者としての自分のためにテソンの事を調べていて、偶然スンハとテソンの入れ替わりを知ってしまうんですよね。
それと、池畑役の六平さんは見るからに悪そう〜な感じだったけど、
ジュンピョは、何かヘラヘラしてるっていうか・・たぬき親父っぽいかな〜

 そんな情報を仕入れてウハウハのジュンピョを部屋の前でオスが待ち受けてました。
「宅配便が来ましたね?」オス
「その前に、あなたに話したいことが」ジュンピョ
 オイオイ!ジュンピョさんよ〜何話そうとしてんだよ〜?!と思わせぶりなところでつづく・・

 韓国版も10話が終って、やっとキャストの名前も頭に入ってきました。
最初はヘインとスンハがごっちゃになっちゃうし、イノ先生だかオノ先生だかウノ先生だかわからなくなっちゃってました(後で訂正しました・・・(; ̄ー ̄川)
でも、まだ相関図見ながら記事書いてるけど・・

 ここまできた感想は、非常によく練られたおもしろい脚本だということです。
一人一人の登場人物の思いも丁寧に描かれてるし、伏線がしっかり生きてます。
日本版は韓国版をうまくまとめていますが、主演2人以外の思いがかなり削られてるのが惜しいと思いますね。
 この複雑な人間ドラマを描くには20話でも足りないかもしれないと思います。

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1. 韓国版[魔王]第10話「唯一の道は、自分を守る事だ」  [ 華流→韓流・・・次は何処? ]   2008年09月09日 21:13
全20話の丁度半分の今回は、たくさんの衝撃的な真実が明らかになってきます。まだ日本版で放送されていない重要な内容を含みますので、読まれる方は、ご注意下さいね。

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