「魔王」第5回「シバトラ」第5回

2008年08月05日

「あんどーなつ」第5回

 お盆が近づいたある日、奈津(貫地谷しほり)はお墓参りに満月饅頭を持っていくという菊子(笛木優子)という女性に応対し、元気がないその様子にふと心配になる。
 満月堂では饅頭に使う酒種の仕込みをすることになり、留守にする竹蔵(尾美としのり)に代わって、奈津が面倒をみることになる
酒種は、2,3時間おきに攪拌しなければカビてしまう大変デリケートな生きもの・・
はりきって満月堂の大切な酒種を見守る奈津・・・

 いやいやいや・・見てる方全員が、あ〜カビるョ・・と心配したと思うのですが・・
がんばりやの奈津が何で?と思っていたら、幽霊さんのせいだとは・・・

 梅さん(國村隼)の家で、町内会のみなさん手作りのシャモ鍋をご馳走になった後、酒種の元へ走る奈津は、橋の欄干に結び付けてある菊子のストールを発見。
さっき、寂しげに川を見つめていた菊子の姿を思い出し、心配になって探し回ってしまうのです。
 で、ビルの屋上に立って身投げ寸前の菊子を発見・・

 自分の不注意で火事を起こし、母親を殺してしまったという菊子を説得する奈津。
「あなたが死んでも、お母さんは帰ってこないんです。
あなたが死んだら、誰がお母さんのことを憶えていてあげられるんですか?!
私だって、お父さんもお母さんもいません。
だけど、人は勝手に死んじゃいけないの!
亡くなった人の命の分までちゃんと生きなきゃ、あなたの中に生きているお母さんまで死んでしまう!」

 なんとか死ぬのを諦めてくれた菊子と別れて、ちょっと遅くなったけど酒種を攪拌。
大丈夫そうだわ〜と思っていたら・・・

 次の日・・・
「ダメだ。カビがきてる・・・この酒種は死んじまってる、使えねぇ・・」梅吉
事情を話すと、そういうことならしかたがない・・ってなったんだけど
「どうして、俺達や女将さんに連絡しなかった?
仕事を全うするってことはな、一人で全部背負い込むことじゃないんだ」梅吉

 酒種にすまない気持ちでいっぱいになる奈津・・・
命の大切さをわかっている奈津だからこそ、後悔で胸がふさがれて・・・
「ごめんなさい・・私のせいで死んでしまった・・・ちゃんと生きてたのに・・(涙」
そんな奈津に自分も酒種をダメにしてしまったことがあると経験を話す竹蔵・・
「こいつらだって、きっと許してくれるよ・・」

 しかし、事はそれだけじゃすまなかった。
すぐに麹の追加注文を出したが、そのトラックが事故に合ったために、到着がかなり遅れることに・・
そのため、在庫の酒種が切れてしまい、店頭用の満月饅頭が作れなくなってしまったのだ。
 「お店はお休みにします。
満月饅頭のない満月堂は開けられません」光子(風吹ジュン)

 今さらながらに大変なことをしてしまったとショックを受ける奈津は、
満月堂が取り寄せているのと同じ福井県の米麹をよそで買ってきて使って欲しいと差し出すが・・・
「残念だが使えねぇ・・こいつを使っても満月饅頭にはならねぇんだよ」梅吉
「・・・・」奈津
「満月饅頭はな、俺達職人の力よりも麹の力の方が大きいんだよ。
それにこの町の風、この店の空気、そういうものが全部揃わないとダメなんだ・・
俺達職人には手出しのできない領域がいっぱいあるんだよ」梅吉
「違うものを満月饅頭だと言って売ることはできないわ」光子

 梅さんは、伝統の味である満月饅頭を作らせてもらってるって気持ちがあるんでしょうね。
満月饅頭は満月堂のものであって、満月堂だけのものではない。
いろんな力が合わさって、満月饅頭というものができあがっている、
自分はその手伝いをしているだけ・・・
だからこそ精進を続けて、技術を磨いて、受け継いで再現していかなければならない。

 そして、やっと麹到着。
酒種の仕込みを始める梅吉に「親方、もう一度、私に酒種の管理をさせて下さい!
もう二度と死なせたりしません!死なせたくないんです!
お願いします、お願いします!!」頭を下げる奈津
「・・・・・やってみるか?もう一回」梅吉
「ありがとうございます!!」奈津

 いや〜さすが梅きっつあんだ・・・
もう失敗はできないんだからね・・これが成功しなかったらそれこそ何日も店閉めなきゃならなくなるかもしれないんだから・・
ここで任せてみる!ってのが、親方としての判断だよね〜

 愛情を込めて、しっかりと酒種を育てる奈津・・・
って、昔話までして、子守唄まで歌っちゃったョ・・・
酒種の前でいねむりをしてしまった奈津の前に菊子がやって来て、この前のお詫びと助けてくれたお礼を言うのでした。
そして、壷を見つめて・・
「この前は私のために迷惑をかけてしまったけど・・今度は大丈夫よ。
あなたがこんなに大事にこの子達を見守ってるんだから・・
誰かに思われることは嬉しいことよ、耳を澄ませればきっと応えてくれるわ」菊子

 朝になって・・・酒種の様子を見た梅吉・・・
「できてる?!お前、何かしたか?」
「こんな短時間なのにどうして・・・?」竹蔵
「多分・・・・助けてくれたんです。麹と・・・・誰かが」奈津
 ギリギリ、満月堂を休まなくてすみました!

 いや〜、わたしゃ、菊子は麹の精とかなのか〜?とメルヘンチックな事を思いましたが・・幽霊さんだったとは・・・
1657年に起こった明暦の大火の原因はいろいろと言われているようですが、
江戸市街の6割を焼失する大火で、10万人以上の人が亡くなったそうな・・
 今回光子さんが教えてくれたのは「振袖火事」と言われてるものです。
恋わずらいで亡くなった娘の振袖を着た娘が次々と亡くなったために
振り袖を本妙寺で供養してもらうことにしたんだけど、その火の粉が飛んで火事の元になったか・・
 しかし、火事の後、本妙寺にはお咎めがなく再建されたようなので、これも噂話なのかも〜

 ラスト、お菊さんのお墓に饅頭を供えて、酒種を守ってくれた御礼を言いにいく奈津がいいですわ〜
よくわからないけど、世の中には不思議なことがある、それはそれでいいじゃないか・・
と受け入れて納得させてくれるような土地柄なのかもしれませんね・・・

 小朝師匠の「人間様の力なんて、ほんと、ちっぽけなもんなのかもしれません」という言葉・・
いろんな力に守られて、不思議と生かされている自分・・
だからこそ、明日を信じて努力してみようって気になるのかもしれませんね・・
今週もいい夢見させてもらったョ・・・(ノω・、) ウゥ・・・

 しかし、シャモ鍋って食べたことないんだけど、「鬼平犯科帳」にしょっちゅう出てくるのよね

まぁ鶏肉(シャモとは江戸時代にタイから輸入され日本で改良された鶏)の鍋らしいんだけど「シャモ」って言った方が美味しそうなんだよね・・・
 シャモ鍋食べながら、百物語ってのもオツだね・・・

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1. あんどーなつ 第5話:出たあ!浅草幽霊大騒ぎ  [ あるがまま・・・ ]   2008年08月05日 15:57
菊子は幽霊???〜〜〜(m-_-)mウラメシヤァ お盆も近づく夏の最中、墓参りに満月饅頭を持っていくという 菊子(笛木優子)が満月堂にやってきた。応対した奈津は、 体調が悪そうな彼女のことが気にかかる。そんな折、奈津は 酒種の仕込みに初めて関わることになった。これは...
2. 「あんどーなつ」第5話  [ fool's aspirin ]   2008年08月05日 16:43
自殺しそうな女性を助けたのに、 大事な酒種を死なせてしまった奈津。 またまたピンチ! …と思ったら、今回は怪談を巧く絡めたステキなお話だった。 あんどーなつ 5?江戸和菓子職人物語 (5) (ビッグコミックス) 西 ゆうじ JUGEMテーマ:エンターテイメント
3. あんどーなつ  [ Marble Chocolate ]   2008年08月05日 16:59
#5 お盆も近い、ある日。 奈津がお店のお留守番をしていると、満月饅頭を買いにお客さんがやって来た。 このお客さんは菊子さんというのですが、奈津はこのお客さんのことが少し気になって…。...
4. あんどーなつ 第5話 「出たあ!浅草幽霊大騒ぎ」  [ テレビお気楽日記 ]   2008年08月05日 17:18
酒種の仕込みを一人でやることになる奈津(貫地谷しほり)。
5. あんどーなつ 第5話  [ シャブリの気になったもの ]   2008年08月05日 17:32
あんどーなつ 第5話 TBS 2008/08/04 (月) 20:00?? 「出たあ!浅草幽霊大騒ぎ」     ★はじめに   けっこう怖かったよ????! 梅吉さんの家で怪談を始めてからはまだ良かったんだけど、 風鈴が落ちた瞬間、ゾ????!   そして、奈津の麹の話を知ってるの?っ...
6. あんどーなつ 第5話 ある夏、、、奈津の怪談  [ レベル999のマニアな講義 ]   2008年08月05日 17:57
『出たあ!浅草幽霊大騒ぎ』内容盆も近づいてきたある日のこと。酒饅頭『満月饅頭』を一箱買っていく女性(笛木優子)がいた。母の命日に好きなモノとを言うことだった。でも、体調が悪いようで、気になる奈津。そんなことがあった。。数日後。饅頭のの命である、『酒種作...
7. あんどーなつ・第5話「酒蒸し饅頭」  [ 山吹色きなこ庵・きままにコラム ]   2008年08月05日 22:54
気付かないうちに、酒蒸し饅頭の作り方を眉間にシワを寄せてじっと聞き入っていた私。
8. あんどーなつ 第5話  [ 渡る世間は愚痴ばかり ]   2008年08月05日 23:10
「頂きます(??人??)」という言葉は命を頂くという事 梅さんの蘊蓄はいいですね( ̄ー ̄)b 今回の内容は全てここにかかってきていますね。

この記事へのコメント

1. Posted by まこ   2008年08月05日 17:06
2度の失敗は許されないぞ〜って思ってる時に
あの居眠りっ!またしても・・・と冷や冷やして
しまいましたわ〜
そんなあたしが梅さんだったら、あのタイミングで
とてもじゃないけど、奈津に酒種作りはよぉ
任せられませんっ!(笑)
弟子を信頼するってーのも、なかなか出来そうで
出来ないですよねー。
梅さん、大人〜〜〜
シャモ鍋パーティ、うな勝の女将として、
きこりさんもお呼ばれしてくれば良かったのに〜
2. Posted by 夕来   2008年08月05日 17:26
>見てる方全員が、あ〜カビるョ・・と心配したと思う
そーなの…私も壷が映るたびにダメになるよ〜
カビが生えるよ〜とはらはらしてましたわ(笑
最後も奈津の居眠りにちょっと引っ掛かったけど、
幽霊さんのおかげで無事完成して良かった…。

シャモ鍋を囲んで怪談話してるおっさん達、いいですなー(笑
そこでの怪談や「命を大切にする」ってことが
ちゃんと全体の話を構成してて、ほんとすんばらしい〜。
そう言えば梅さんも竹ちゃんも独身って設定なのかしらん…??
3. Posted by シャブリ   2008年08月05日 17:40

笛木優子さんの幽霊が綺麗なこともあってか、
本気でゾクっとした回でした。

風が吹く・・・。
演出が1,2話の竹村さんに戻ったので、
初めてみた時の雰囲気が出ていてとてもよかったです。

>昔話までして、子守唄まで歌っちゃったョ・・・
子守唄はちゃんと奈津の故郷の福井県のものでした。
こういうところがしっかりしていて安心できます。
4. Posted by きこり→まこさん   2008年08月05日 22:43
>あの居眠りっ!またしても・・・と冷や冷やして
しまいましたわ〜
ホントだよ〜!
何で、目覚しとか側においとかないんだ〜?とか思いながら見てたよ〜
>弟子を信頼するってーのも、なかなか出来そうで
出来ないですよねー。
ここで思い切ってやらせてできたら、すごく伸びるってわかってても、安全な道を取りたくなるのが人間だよね〜(笑
そこを思い切ってやらせた梅さん・・さすが違うわ〜!
>きこりさんもお呼ばれしてくれば良かったのに〜
ホントだよ、光子さんにふっついていって、メロンでも差し入れして、ガッツリ食べてくればよかったわぁ〜(笑
5. Posted by きこり→夕来さん   2008年08月05日 22:47
>そーなの…私も壷が映るたびにダメになるよ〜
ね〜?(笑
最初にまかせてくださいって言葉を聞いた時から、
あ〜カビるわ・・・と思っちゃったよ(笑
で、蓋開けるたびにカビてるんじゃ?とか思ってドキドキしちゃったョ!
>シャモ鍋を囲んで怪談話してるおっさん達、いいですなー(笑
いや〜ホントいいよね〜(笑
ささっと旨い鍋作ってくれちゃってさ〜
人の作ってくれたうまいおかずで飲むってのが最高だわ〜
>そう言えば梅さんも竹ちゃんも独身って設定なのかしらん…??
竹ちゃんも独身か〜
梅さんは昔いろいろあったんだろうけどねぇ・・(笑
女将さんとどうこうってのはないのかねぇ・・
6. Posted by きこり→シャブリさん   2008年08月05日 22:50
>笛木優子さんの幽霊が綺麗なこともあってか、
本気でゾクっとした回でした。
キレイなんだけど、ほんわかした雰囲気があっていいですよね〜
オバケなんだけど、優しさがあるっていうのも彼女にぴったりでした。
>初めてみた時の雰囲気が出ていてとてもよかったです。
たまにこういうファンタジーっぽい味付けがしてある回もいいですよね?
達者な役者さん達ばかりだから、どんなふうに持ってきても合わせることができるんでしょうね。
>子守唄はちゃんと奈津の故郷の福井県のものでした。
そうなんですか〜!さすがシャブリさん!
そういうの聞いちゃうとすごいな〜って思いますね。
7. Posted by ikasama4   2008年08月05日 23:23
なっちゃんを見てると
どこか危なっかしい感じがプンプン匂ってくるんですが(笑)

それでもなっちゃんに麹の攪拌を任せる親方って
やっぱり人を信じたい、って気持ちがあるのかもしれませんね。

これでなっちゃんも麹の大切さが分かったみたいですしね。

失敗しないと気付かない事が多いですからね。
これもなっちゃんの成長にとって必要なことなのかもしれません。


>しかし、シャモ鍋って食べたことないんだけど、「鬼平犯科帳」にしょっちゅう出てくるのよね
そうそう、「鉄さん」「彦ぉ〜」の掛け合いがホントいいです(脱線)

P.S.
流石はシャブリさんです( ̄ー ̄)b
8. Posted by きこり→ikasama4さん   2008年08月06日 12:58
>やっぱり人を信じたい、って気持ちがあるのかもしれませんね。
そうですね、だから奈津もその信頼に応えたいって
がんばったし・・・
そして、そんなふうに親方に信じられた奈津が
いつか弟子を持ったら、きっと信じようとするだろうし・・
そういう気持ちもしっかり伝わっていくんでしょうね・・
>失敗しないと気付かない事が多いですからね。
失敗から学ぶことの方が多いですからねぇ・・・(笑
そして、失敗したらごめんなさいって謝って、もうしないぞとがんばる素直な奈津がいいんですよね。
>そうそう、「鉄さん」「彦ぉ〜」の掛け合いがホントいいです(脱線)
タイムマシンがあったら、江戸時代に行って鬼平様のためにいぬとなって働き「お前も飲め!」と杯をもらいたいっス!

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