「Around 40 〜注文の多い女たち〜」第8回「ハチワンダイバー」第5回

2008年06月01日

「トップ・セールス」最終回 未来への選択

 バブルがはじけて、長い不況の時代が始まった。
真理子(石田ひかり)は久子(夏川結衣)の店で行方不明になっていた吾郎(山口馬木也)と再会する。
「俺なぁ・・世の中を動かす側にまわった気でいたよ。
金も権力も目の前に溢れてた・・
たくさんの人間が俺に頭を下げた。
ぱっとしない3流の俺にさ・・
一発逆転で成り上がったつもりが、ざまぁないよな・・
犯罪の片棒をかついていただけだ・・
40年生きてきて、ものにできたものは何もない。からっぽだよ、俺は・・」

 「ずっと好きだった・・奪いたかった、俺はずっと柴田からお前を」吾郎
「同じね、吾郎と私は・・・
あなたは私の向こうに柴田隆男の姿を見てる。
私が彼の向こうにチャコの姿を見てきたように・・
私ずっとあがいてた。
チャコとは違うチャコには負けない人生を生きなくちゃって。
自分の人生を生きなくちゃ・・それしかない」真理子

 はっきりと吾郎に語った真理子は、もう自分自身の道を歩き始めている。
久子への嫉妬と劣等感に苦しみ、あがき続けた結果到達した境地・・
苦しみが彼女を育てたとも言える・・
 そして、隆男に胸を張って「本物を作りたかった」と話した真理子は
自分のためだけではなく、吾郎を励ますためにも本物を目指したかったんでしょうね。
 何だか「Around40」じゃないですけど、苦しんだ分だけ人間ってちゃんと成長するもんなんだな〜というのが真理子の姿を通してしっかりと伝わってきましたね。

 1993年8月、隆男(椎名桔平)は常務から部品の納入金額を10%落せと
指示される。
輸出分の利益が見込めないその穴埋めを、下請けの街工場にみさせようという考えに
抵抗を覚える隆男だが、どうすることもできない・・

 そして1994年2月、長い付き合いだった町工場の八代社長が亡くなり、
葬儀に参列するが息子(北村有起哉)から冷たく拒否されてしまう。
「帰ってくれ・・工場は閉めた、もう用はないだろ・・
ミヤケから仕事は来ない、来ても値下げ値下げで働くだけ赤字だ・・
10円20円の値下げでも、うちらみたいな零細には生き血を搾り取られるようなもんなんだ。
 あんなちっぽけな工場でも親父にとっちゃ人生の全てだったんだぞ!
どうして最後に工場つぶれるとこ見せなきゃなんないんだよ!」息子

 工場で隆男は吾郎と再会する。
小さな編集プロダクションを興した吾郎は、ここの親父さんにも取材してたらしい。
「俺もバブルを盛り上げる側に回った人間だ。
金の力で人の人生狂わせる手伝いをしてきた。
今になればわかるよ、あの馬鹿騒ぎが人間を、人の暮らしをどれほどねじまげたか・・
結局、一番弱い者が最後にツケを払わされる。
 町工場の取材をしているのは、それを自分に突きつけるためさ。
バブルに加担した者のせめてもの責任の取り方だ。
けっこうキツイもんだな〜自分の過ちを見続けるのも・・
お互い自分の責任を全うしよう・・また、集まろうな5人で」吾郎

 真理子に言われたことをちゃんと受け止め、吾郎は自分の生きてきた道を見つめ直し、
新しい生き方を見つけ出した。
自分の身の丈に合った、自分らしいやり方で・・
まっすぐに隆男を見詰めた吾郎の目は、澄んでいました。

 何かね〜人生の勝負って終ってみなきゃ結論なんて出せないんだな〜って思いましたよ。
浮かぶ時もあれば、沈む時もある・・・人生って本当に長い・・そしておもしろい・・
 吾郎の言葉に今度は隆男がやられましたね。

 1994年10月、成績最下位の城東支店をまかされた久子は順調に売り上げを伸ばし
トップへとのし上げた。
そして今までの功績が認められ、久子はSuB東京の社長に抜擢される。

 「昔、尊敬する上司から教わりました。
セールスというのは情の仕事だと。
車を買っていただくにはお客様の心を動かさねばなりません。
心が動くというのは感動するということです。
みなさんの力をお借りして、お客様とたくさんの感動を作っていきたいと思います。
よろしくお願いいたします」

 久々の末長(金子昇)との再会。
ドイツに渡って、また一から勉強しなおすという末長。
まさか社長と部下として再会するとはねぇ・・・
でも、こうやって見るとやっぱり男女の仲というよりは良きライバル、同士愛みたいな感じだったのかな〜

 1995年9月、アメリカ製の部品の購入目標をめぐる交渉の日米自動車協議が決裂し、アメリカは日本車への制裁措置として100%の関税をかける用意があると発表。
隆男の元にインディアナ工場の山川から「交渉をまとめられないか」と電話が入る。
もし制裁措置が行われると、アメリカにある工場がつぶれ、8万人近い失業者が出る。
「制裁が行われていいことは何ひとつありません。又、切捨てられる者が出るだけです」

 吾郎からは取材をまとめた「自動車部品工場の黄昏」という本が届く。
八代社長の記事を見た隆男は、自動車業界に働く者として、切り捨てられる者が出ないようにと交渉を進めるために事業計画書を作るために動き始める。
 しかし、その行動は通産省で働く高村(小沢健)と対立するものだった。

 「輸出が止まったら、どれだけの被害が出るか。
部品会社、内装会社、販売会社、アメリカの現地工場、ディーラー・・
車を作り売ることで生活している人間がどれだけいると思うんだ?!」隆男
「つぶれることもあるかもしれない・・だがやむを得ない」高村
「高村!」隆男
「政策を通すために戦う、外圧には立ち向かう、それが俺にとってのケンカだ。
ひけないんだよ、柴田、今回はな」高村
「このままじゃな、四千億円の被害が出るぞ。
四千億円っていうのはな、単なる数字じゃないだんだ。
仕事を失くし、希望を失い、苦しむ人間の数だ!」隆男
「柴田、お前が見ているのは自動車業界だけだ。俺はこの国の行く先を見ている」高村

 高村は長い目で見た日本の利益ということを考えているかもしれませんが、
そのために今現在自動車業界で生きている人々が損失を被る破目になるっていうのもアレですしね〜
 隆男はメーカーにはアメリカに強調する意志があるということをアピールするためにその事業計画案を新聞にリークする。
 「自分たちの業界です、私達が守っていきましょう!」隆男

 吾郎に発奮されたんですかね・・
隆男もいつのまにか、自分が業界に責任を持って、ひっぱっていく立場になっていたことに気づいたんでしょうね。
それじゃなきゃ、今まで切り捨てられた者も浮かばれない。
 その後、交渉はまとまり、アメリカの制裁は避けられた。
大喜びするミヤケモータース側と苦々しい顔の高村が対照的でした。

 久子は客のクレームの電話を直接受けたことから、
SuB社内に上司の評価を意識するあまり、問題を隠そうとする悪循環が起こっている事に気づく。
 会議の際に、SuBの店長達に店つくりの根本的なやり直しを提案し、現場の営業マン達に自分が直接指導することを発表する。
しかし、苦い顔の務の山村(利重剛)と店長たち・・・
山村は「SuBの広告塔として社長に選ばれたのだから、その自覚を持って下さい」と久子の提案に意義を唱えるのでした。

 久々に二人で会う隆男と久子・・
「昔ね、岡野さんに言われたんだ。
営業の数字の奥に車を売る人の姿を見ろ、って・・
何台売った、いくら作った、数字の奥には汗を流して働く人間がいる。
これからの俺の仕事は、今回の決着で切り捨てられる人が出ないようにすることだ」隆男
「社長になってから私、数字だけ見てた。
いつのまにか、現場からも、お客様からも離れていた」久子
「槙野、お前何のために車売ってきたんだ?
数字のためでも、社長になるためでもなかったろう?」隆男
「お客様と一緒に未来を作るため」久子
「それさえ忘れなけりゃ、お前は大丈夫だ」隆男

 やっぱり久子の事を一番理解してくれてるのは・・・岡野所長!
二番目が隆男だね。
そして、いつも久子が道を見失いそうになると、思い出させてくれる。

 久子は「トークデー」というお客様から率直な意見を聞く会を設ける。
クレームをまっすぐに受け止める、その器が会社を成長させるんですよね。
そんな中で久子はひとつの決断をする。
「社長、辞めることにした」
 現場で働いて、常にお客様と向き合っていたい、それが自分にとっては合っているし、幸せだと。
「お客様の未来を作る、一人の営業マンでいたい」
 で、SuBを辞めて、ミヤケ販売の営業所で働くことに。
「走っていけよ、お前がどこまで行けるか、俺達ずっと見てるから」隆男
「一生懸命走んなさい、あんたの目指しているお日様の向こうはずーーーーーっと先の方だけど」光枝

 いつもチャレンジすることを恐れず走り続ける久子・・・
理想を持ち続けることは難しい、でもやはり理想を持ち続けるのはすばらしい・・
そう思いました。
 いや〜おもしろかったですね〜
久子は頭が良くてがんばりやですがスーパーウーマンではない、本当は普通の
情にもろい女性です。
でも、そんな自分を奮い立たせて、理想を胸に楽しそうに戦う姿には毎週勇気をもらいましたし、泣かされました。

 夏川結衣さんの演技はよけいなものがなくて、まっすぐにすっきりと私の中に入ってきました。
高校の同級生四人の人生も微妙に絡み合って、
それぞれの苦しみと喜びと成長もきちんと描かれていました。
脚本家の方のそれぞれの登場人物への愛情を感じましたね〜
いい作品でした。
 

matakita821 at 22:11│Comments(8)TrackBack(3) このエントリーをはてなブックマークに追加 「トップ・セールス」 

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1. トップセールス 最終話 「未来への選択」  [ 渡る世間は愚痴ばかり ]   2008年06月01日 23:53
終わって早々不満から始まるのですが(; ̄∀ ̄)ゞ 2008年での槙野の髪型
2. トップセールス(8)  [ ドラ☆カフェ ]   2008年06月03日 19:19
視聴率は 7.1%・・・前回(5.5)より 「未来への選択」
3. トップセールス  [ 読書・映画・ドラマetc覚書(アメブロ版) ]   2008年06月09日 17:29
 NHK土曜夜の連ドラ。  一人の女性自動車営業マンを通して、時代の流れとともに自動車業界の流れとかも見せつつ、描いたドラマ。すごく面白かった…。  久子(夏川結衣)は普通のOLとして過ごしていたが、女性は結婚して退職するのが当然と思われ、自分の企画を上司...

この記事へのコメント

1. Posted by ikasama4   2008年06月02日 00:48
夏川さん演じる槙野って
いつも自分の夢に真っ直ぐで
自分を見失ってない感じがしますね。

それに節目節目で槙野も隆男も五郎も高村も
つまづいたり傷ついたりしながらも
自分の犯した罪を繰り返さないために
それぞれ色んな人の人生を背負いながら
自分の人生を歩んでいるのがなんかいいですね。

そして岡野所長が出てくると
どうしてもついつい「一緒になって欲しかった」って
欲が出てしまいます(; ̄∀ ̄)ゞ

そういえば今度、木曜8時に
南海キャンディーズのしずちゃんが主演の
ボクシングをするドラマがあるそうです。

どっしよっかなと思ったのですが
そのしずちゃんのトレーナー役が
蟹江さんなので見る可能性がとても高いです(; ̄∀ ̄)
2. Posted by きこり→ikasama4さん   2008年06月02日 13:57
>それぞれ色んな人の人生を背負いながら
登場人物が多いと、散漫になりがちですが、
このドラマはちゃんとまとまってましたよね。
紆余曲折を経て、まだこれからも人生が続くって感じが良かったです。
>どうしてもついつい「一緒になって欲しかった」って
欲が出てしまいます(; ̄∀ ̄)ゞ
そうなんですよね・・・
やっぱり岡野さんしか久子の相手はいなかったんですよね・・末長も隆男もやっぱり違ってました・・
岡野の教えが久子の心の支えになってるんだな〜と
ほろりとしましたよ〜
>ボクシングをするドラマがあるそうです
「ミリオンダラーベイビー」みたいな感じなのでしょうか?
蟹江さんが出るんなら見なきゃ!
なかなかいい味出してくれそうですよね・・
なんか楽しみです。
3. Posted by まりりん   2008年06月02日 22:25
きこりさん、こんばんは!
このドラマのレビューお疲れ様でした。
みんな紆余曲折あったけど、5人ともがそれなりにいい人生を送れてて良かったです。しかしみんな、40歳過ぎての今が一番若く見えたんだけど〜(苦笑)

>やっぱり久子の事を一番理解してくれてるのは・・・岡野所長!二番目が隆男だね。
ほんとよね〜〜〜。結局どちらとも男女として添い遂げるっていう相手ではなかったけど、何があろうとずっと自分を見守り続けてくれる男性で、この2人で、父親分(久子にとっての)を補ってくれた感じがする。
大好きな仕事もやれてて、こういう生きかたってのも素敵だなと思わせてもらえたドラマでした。
4. Posted by きこり→まりりんさん   2008年06月03日 13:27
>しかしみんな、40歳過ぎての今が一番若く見えたんだけど〜(苦笑)
そうだよね〜
いまいち結局何歳なんだかわからない外見で・・
光枝が先週に比べて一気に老けちゃったけど、
ikasama4さんによると70過ぎてるらしいから
しかたないんだよね〜(笑
>この2人で、父親分(久子にとっての)を補ってくれた感じがする。
そうだよね〜愛情って肉親からじゃなきゃダメってことないんだよね・・岡野や隆男からはいろんな愛情をたくさんもらったって感じだもんね・・
いつまでも走り続ける久子とそれを見守る仲間・・・勇気を持って人と同じ生き方をしなかったからこそ得られたんだろうなぁ・・
5. Posted by ルル   2008年06月04日 11:10
きこりさん♪おはようございます!

岡野が亡くなった後
ちょいとテンションが
下がっちゃいましたが( ̄∇ ̄*)ゞ
女性が頑張って働く姿を
久子を通して、時代と共に見れたのは
面白かったデス!
はいりさん(アラフォ〜)的には
結婚と引き換えに、トップセールスマンと短い間ながらも社長の座も
手に入れた感じでしょうか(笑)
やっぱり、仕事と結婚の両方を手にするのは
難しいのかな〜?
しかし、活き活きとしてる久子は
結婚より、大切なものを得たという気がしますが。
お付き合い、ありがとうでした〜。
といっても、他のドラマでは
またまた宜しくデス
6. Posted by きこり→ルルさん   2008年06月04日 14:13
>ちょいとテンションが
下がっちゃいましたが( ̄∇ ̄*)ゞ
そうだよね〜
やっぱり岡野の存在感は大きかったわ〜
>やっぱり、仕事と結婚の両方を手にするのは
難しいのかな〜?
やっぱりあそこまで一生懸命やってたら、全ての時間が仕事のためになっちゃう訳だから難しそうだよね。
女性として旦那さんのためにいろいろしてあげたいって気持ちとと仕事をがんばりたい気持ちで引き裂かれちゃうかな・・並みの男じゃダメだろうなぁ・・
>結婚より、大切なものを得たという気がしますが。
そうですよね。普通の女性が得ることのできない特別のものを手にいれたと思います。
楽しかったですよね・・
こちらこそ一緒に感想を言い合えて嬉しかったっす!
7. Posted by 凛太郎   2008年06月06日 09:45
本当に終ってしまうのが残念なドラマでした。
でも最終回で夏川さんが社長に就任した事にも驚きましたが、あっさり社長を辞めてしまった事も意外な展開でした。社長にとどまって、自分流に会社を改革していく夏川さんの姿を見たかった気もしますが、どちらにしても見応えのあるドラマでした。
8. Posted by きこり→凛太郎さん   2008年06月06日 14:36
>本当に終ってしまうのが残念なドラマでした。
本当に・・・
見終わった後、ああ〜いいドラマだった・・って
満足のため息をもらしちゃいました。
脚本が良かったし、夏川さんじゃなきゃ演じ切れなかったと思います。
そして、高校時代の仲間とも30年にわたる山アリ谷アリの付き合いもリアルだし、時には悲しくせつなく・・・全員が同士愛的な境地になるところも
納得でした。
>社長にとどまって、自分流に会社を改革していく
そうですよね、
久子なら悪循環のSuBを立て直したと思います。
でも経営者であるよりも、一セールスマンとしてお客様と接し続けたいという久子らしい生き方でしたね。

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