「受験の神様」第一回「女帝」第一回

2007年07月15日

「新マチベン 〜大人の出番〜」第三回

 さて、レグラン法律事務所で初めての給料が配られた。
「あれ?タバコ代じゃないですよね?」岡村(地井武男)
1000円・・・・徳永(渡哲也)もびっくり・・・
 前回の裁判は結局持ち出しだったし・・あと、もうけになるような仕事がなかったらしい。
「堺田さんにも働いてもらわないと〜」岡村
「私にふさわしい仕事がなくてね〜」堺田
そこに弁護士会から当番弁護で少年事件の弁護依頼が来る。
「私、子供苦手なんですけどね〜」
 しぶる堺田を何とか説得して仕事に行かせる二人。

 さて、堺田が面会した少年は米村大地(泉澤祐希)14歳、
スーパーでおにぎりや惣菜を万引きして警備員に捕まった。
どうやら常習者らしくて、それで警察に通報されたらしい。
 万引きの理由を尋ねる堺田に対して
「腹が減ったから・・それ以外に理由があんのかよ」とふてぶてしい態度だったが、
勾留されることがわかると、突然
「早く家に帰らないと!出してくれよ!ずっとここに居る訳に行かないんだよ!」
と懇願する大地の態度に普通の万引きではない何かを感じる堺田。



 堺田達は大地の住んでいるアパートを訪ねるが、女の子が一人で留守番をしており、
帰ってきた母親麻里亜(高橋由美子)はいかにも子供をほっぽって遊んでいたふう(けっこう年だと思うが若作り)
勾留請求を却下してもらうには保護者の同行が有効だと説得するが
まったく協力的な態度をみせない母親。
「弁護士なんか雇う金ないっつーの!」

 何とか麻里亜を一緒に裁判所に連れて行って、大地を出すことができたが
母親を黙って睨みつける大地と子供を置いてすぐに遊びにいく麻里亜の様子に
もしかして「ネグレクト」では・・と堺田は思い始める。
 徳永も部屋にあった大地の教科書が新品だったことから学校にも行っていないことに、
岡本は妹が一言もしゃべらないことに気づいていた。

 調べてみると、麻里亜は若い恋人のところで暮らしており、
たまに帰ってきては1000円を置いていくだけで、子供達の世話はいっさいしないらしい。
制服やノートを買うお金がないからもちろん学校にも行っていない。
離婚した夫から送られる養育費は自分の遊行費に使っている。
 二人を一刻も早く安全な場所、児童相談所に入れるべきだという堺田。
その前に母親を説得すべきだと言う徳永。

 「親子の絆は切って切れるもんじゃないですよ」徳永
「それはきれいごとですねぇ・・
世の中には断ち切らなければならない親と子もあります」堺田
「本当に断ち切らなきゃならないものなのか私に話しをさせて下さい」徳永

 娘との間のしこりに心を傷めている徳永にとっては
親子の絆は切っても切れない、どうしても信じたかったんですよね。
でも麻里亜から聞けたのは、
「彼と一緒にいたいから帰れない!彼だけは離したくない」というあまりにも幼い、女としての言葉だけ・・
 おまけに恋人には子供がいることも隠しているらしい・・
「(離婚した時は)三人でやっていこうと思っていたのよ。
でも、うまくいかなくて・・・めんどくさくなっちゃった・・今は彼の方が大事」

 ショックを受ける徳永だが、まだ児童相談所に送ることに迷ってしまう。
「おめでたいあなたはあの子達がどれだけ追い詰められているかしらないんだ!
わかりますか?親のいない夜を過ごす不安が?!
親に食事を作ってもらえないひもじさが?!
親に捨てられたかもしれないと案じるせつなさが?!」と堺田は声を荒げ、
友人の話ですが・・・と言って昔話を始めるのだった。
 
 愛人の子に生まれて、クラブで働くその母親はいつも酒びたりで
母親らしいことは何ひとつしようとしなかった。
そのためその子は少年時代ワルガキで警察に補導もされた。
 でも、本妻の家に子供が生まれなかったために引き取られ、義母に慈しまれて育ったと・・・
 「私が言いたいのは、ひどい肉親よりも他人の方が救いがあるんじゃないかということです。
血のつながりだけで人は育つんじゃありません」堺田

 やはり仕事には自分の人生がでてしまうんですね。
自分の生い立ちと似ている大地に親身になり、新しい道を探してあげようとする
堺田・・・
 ところで、千里ちゃん・・あそこで言った
「その友人の名前は堺田春樹じゃないですか?」という一言は余計だったよ・・
何も言わないで黙って見送る・・が、バーテンダーとして正解かと・・

 決心をした大地を児童相談所の人が迎えに来たが、突然帰ってきた麻里亜が
「大丈夫だから帰って!」と追い返してしまう。
「そんなことを言ったら児童相談所に行けなくなるだろう!」と怒る大地に
「児童相談所に行ったことがわかると養育費を送ってこなくなるでしょ!」と。
それを聞いた大地は麻里亜を突き飛ばして、妹の手をひいて出て行ってしまう。

 大地達はは堺田の事務所に来ていた。
迎えた徳永に「何であいつなんだよ!何であんな奴が俺らの母親なんだよ・・」

 そして、堺田に連れてこられた麻里亜だったが、
「大地君に謝ってください」という言葉も無視・・・
「もういい、二度と邪魔すんなよ。
俺ら児童相談所に行く。そして、俺が働けるようになったらミチルと一緒に暮らす。
俺ら、あんたの子供やめた」

 堺田は児童相談所に行かせようと思ったのは引き離すためではなく、
生活を立て直していつかお母さんと一緒にくらすためだったと説得するが
大地の決心は固かった。

 同じような苦しみを経験した堺田だからこそ言える言葉・・
親子の絆は消えることがない、だからこそここで一休みして、
またいつか続けるという方法もありえるんじゃないか?と。

 それにしても、大地の「もう待つのはいやだ」という言葉・・
何度期待をして何度母親に裏切られたのか・・・
こんなに小さいのに彼は絶望を知ってしまったんですね。
そして、自分の道を自分で判断して生きていくことに決めた。
 でも、裁判で「僕らのことを本気で考えてくれる人に初めて会いました。
だからもう二度と悪いことはしません」という言葉に救われました。

 誰かたった一人でも自分のことを真剣に考えて心配してくれる人が
この世の中に存在する・・そのことは生きる支えになります。
本当ならそれは母親や父親から与えられるはずのものだったけど、
もしかしたら将来それは取り戻せるかもしれないし、
これから出会う誰かと作っていくことができるかもしれない。
 大地に希望を持たせることができて、堺田自身も救われたと思います。

「君の人生はこれからだ。ずっと見てるからな。一人の先輩として・・」
いつもはシニカルな堺田の声がすがすがしく響きました。

 いや〜おもしろかった・・・今回は上田正樹さんの歌が特に沁みました・・
来週はやっと岡村さんの活躍ですね〜楽しみですわ〜

このエントリーをはてなブックマークに追加

トラックバックURL

この記事へのトラックバック

1. 新マチベン〜オトナの出番〜 第3話 絆  [ レベル999のマニアな講義 ]   2007年07月16日 00:37
内容給料が、たった1000円。割のいい仕事しているわけでもない3人にとってはその程度であった。そのうえ、堺田は、いまだに弁護を受けたこともない。徳永、岡村から非難されるが、気にも留めない堺田。そんなある日、レグラン法律事務所に当番弁護の依頼が来る。堺田...
2. 新マチベン〜オトナの出番〜vol.3  [ ita-windの風速計 ]   2007年07月16日 04:12
■新マチベン〜オトナの出番〜脚本/井上由美子出演/渡哲也、石坂浩二、地井武男、ともさかりえ、麻生祐未坂下千里子http://www.nhk.or.jp/dodra/new_machiben/第3話親を捨てられますか?中学生が万引きで捕まる。常習性が有ることから店側は警察に突き出し、家庭裁判所で...
3. 《新マチベン》??オトナの出番??◇#03  [ まぁ、お茶でも ]   2007年07月22日 06:45
堺田が渡してくれた、初サラリーが、¥1000で、源太郎と岡村は、堺田がまだ初仕事をしていないせいだと迫った。心配な2人は、ついていった。

この記事へのコメント

1. Posted by 凛太郎   2007年07月19日 08:56
予想に反して、一話完結でしたが、今回のエピソ−ドも堺田(石坂)の過去が少し明らかになる等、見応えがあり、正に大人の時間と言う感じでしたね。
田村のエピソ−ドが楽しみです。
2. Posted by きこり→凛太郎さん   2007年07月19日 17:15
>堺田(石坂)の過去が少し明らかになる等、見応えがあり、正に大人の時間と言う感じでしたね。
堺田のシニカルなキャラクターがどうしてできあがったのか、ちょっとわかったような気がしましたね。
この年代になって自分の母親の事も許せたからこそ
、自分の過去を冷静に見ることができるようになったからこその堺田の弁護という感じでした。
来週はずっと裏方でがんばって来た岡村の出番ですね。
楽しみです。
3. Posted by ルル   2007年07月29日 22:57
こんばんは〜!
やっと見ました(笑)

漫画原作が多い中、唯一大人のドラマを
しみじみと堪能してる感じです。
子供に戻って(笑)
がははっ笑いが出来る
賑やかなドラマもいいですけどね〜。

最初、ひどい母親だなぁ、と思ったけど
最後は救いのある展開で良かったです!
妹の面倒を看てた大地君には
時折、涙がボロリ。。
泉澤祐希君(フレンチ王子だよね?、、笑)は
演技が上手ですね〜。
白夜行の時から、注目してたので(笑)
期待通りの出来に満足でした〜♪
4. Posted by きこり→ルルさん   2007年07月30日 06:34
>漫画原作が多い中、唯一大人のドラマを
しみじみと堪能してる感じです。
そうなのです〜!!
最近は漫画が原作なのあたりまえってぐらい
多いですもんね〜
別にいいんだけど、それだけにオリジナルで勝負してくるとこは応援したくなっちゃうわ〜
このドラマ、3人のおっさんのキャラがまたなんとも言えずいいんだよね〜
シニカルな石坂さんもぴったりだし・・
小回りが利いて繊細な気遣いのできる岡村・・
そして「家族」「熟年離婚」のキャラと似てるような気もするけど(笑
渡さんがいるとやっぱ引き締まるウ〜
土曜は忙しいけど、見るのがすごく楽しみです。

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
「受験の神様」第一回「女帝」第一回