「バンビーノ」最終回「新マチベン 〜大人の出番〜」第一回

2007年06月30日

「クレイジー黄金作戦」坪島孝監督

 今日は午後から仕事なんで、たまっている掃除や洗濯をしなきゃ・・・
でも、まてよ・・
確か今日は日本映画専門チャンネルで「24時間まるごと植木等」やってんじゃないの?
 よしよし・・・「クレイジー黄金作戦」に「クレイジー大作戦」、
「クレイジーの大爆発」「日本無責任時代」・・・録画セットよし!って・・
オープニングをチラッと見てたらはまっちゃって・・・
結局「黄金作戦」全部見ちゃったよ・・・ひーーー!恐るべしクレイジー。

 これは1967年の作品だね。
貧乏寺の住職町田心乱(植木等)はお布施の金を持って競輪場に直行するほどの博打好き。
寺の地所から建物まで借金取りに差し押さえを食らっている。
その借金を肩代わりしてくれた父親の友人の会社で働きながら借金を返済する約束なのに仕事もせずにパチンコへ行く始末。
 そこで知り合った外人にラッキーチャームとしてラスベガスのチップをもらい
何とかベガスで大もうけしようとたくらむ。
そしてうまいこと画策して、ロス駐在員として飛行機に乗ることに成功する。

 そして、煎餅屋の息子で金と名誉が大好きな代議士の板垣(ハナ肇)は、新しい糞尿処理施設の視察としてロスへ向かう。

 大病院で医師をしていた梨本(谷啓)は実直で正義感のある男。
しかし、金持ちでわがままな患者を追い出したり、行き倒れの外人(ラッキーチャームをくれた男)を助けて入院させたことから院長を怒らせ、辞表を提出するはめになる。
 親切に感謝した外人は「百万ドルを譲る」いう遺書とロスの弁護士の元へ行くよう言い残して息を引き取る。
好きだった看護婦の百合ちゃん(園まり)に振られたと思った梨本は自棄になってロスへと向かう。

 こんな3人が飛行機の中で一緒の席になり知り合ったことから珍道中を繰り広げることになるわけだ。
もちろんメンバー勢ぞろいですよ〜

 そこに絡んで来るのが、浜美枝扮するライターの海野月子(うんのつきこ)。
何故か心乱に会った途端に運がつき始める月子、
そしてつき子に会った途端に運に見放される心乱・・・だから月子の姿を見ると
逃げ出そうとするんだけどね・・

 この二人の関係がルパンと峰不二子みたいでおもしろい。
金の匂いや儲け話をかぎつけて、ハワイでもベガスでも心乱達につきまとう月子。
「女にとってこの世はお金と男ですもの」
心乱の運を自分のものにしようと結婚まで迫るが
「そんな一方的で絶望的な話はお断りだね」と相手にしない心乱。
でも、大金を手にした心乱達を最後にギャフンと言わせてほくそ笑むという・・

 かわいくておしゃれで合理的、涼しい顔で金のためならどこへでも現れる小悪魔にぴったりだった浜美枝さん・・植木等さんの相手として最高でしたわ〜

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 いや〜とにかく植木等さんが痛快っすよ!
飛行機のタラップを踏んでいる心乱にだまされたと知って
怒って詰め掛けた会社の人達に
「ごくろ〜さ〜ん!!いってきま〜す〜アッハッハーーーー!!」

 ロスの駐在先でウソがばれてすぐに日本に戻るように諭す支店長に
「僕はいつまでもサラリーマンやってるほどバカじゃないからね〜」と
あっさり辞表を渡す。

 ロスで一文無しになった心乱は板垣と梨本にうまいこと言ってベガスまでの足代を出させる。
しかし、金が足りないため、途中から徒歩で砂漠を横断しながらの旅になる。

 ぐったりする二人に比べ全然くじけない植木。
ウソつきよばわりする二人に
「君たちは俺に会って運が良かった!
俺は知る人ぞ知る日本一のギャンブラーだ!
この世の中に博打でないものがあるか?人生コレ全て博打だ!」

 すぐに洗脳されて団結する3人。この繰り返しなんである。
苦難に出会えば出会うほど心乱の頭は早く回転し、口はペラペラうまいことを言って
周りの人間達を納得させる。

 そしてやっとこさラスベガスに到着!
ベガスの大通りで喜びの踊りを始める3人。
「♪とうとう着いたぜ ラスベガス〜♪ やっぱりあったぜ ラスベガス〜♪」

 「♪金だ金だよキンキラキンのキン!
マネー ゴールド キンキラキンのキン!
金のためなら命もいらねぇ〜 金が世界を回してる〜♪」どんどん増えてくメンバー

 この直接的な歌詞がたまらん!
ここの場面とベガスに来ているクレイジーキャッツとザ・ピーナッツのショーは見ごたえがありますよ〜

 さてさて、心乱が持ってきてたチップは十年前に廃止になっていた。
失意のどん底に落ちる板垣と梨本。

 しかし、ここでも心乱はノープロブレム。
知り合いからくすねた小銭を元にギャンブルでどんどん儲けて六万ドルまで増やしていく。
眠気覚ましにルーレットにその金を全部賭けて負けても・・
「おかげで完全に目が覚めたよ。サンキュー。ワッハッハッハ!まっ、何とかなるだろ」
 
 で、実際何とかなっちゃうという・・・
いや〜おもしろいわ。
中途半端だと心配になるけど、ここまでのポジティブシンキングだと笑っちゃうわ〜
この突き抜けた軽さ明るさ、粋でクールな味わい、こりは後継者と噂されてる
高田純二だって出せないでしょう。
芯にしっかりとしたものがあるからこその出せるんでしょうね。
だから、こっちも安心して乗っかって楽しめる。
やっぱりすごい人だわ・・植木等さんって人は・・・

 そして、この映画を見たらクレイジーキャッツというバンドのユニークさにも
惹かれずにはいられないでしょう。
かっこよさと笑いをミックスした何ともいいようのない時間を作り上げるこの変なおじさん達を大好きになってると思います。

 よっしゃ、次は何見るかな〜!

matakita821 at 13:09│Comments(2) このエントリーをはてなブックマークに追加 映画 

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この記事へのコメント

1. Posted by しゅう   2010年12月03日 21:10
 きこりさん、初めまして。
 私のところにもTBとコメントありがとうございました。
 先月の末に「クレイジー黄金作戦」の上映会があって、この作品、初めて観ました。
 上映時間長かったわりには、私も飽きる事も無く最後まで観てしまいました。
 特にラスベガスのダンスシーンは大きいスクリーンで観るのが一番いいなって思いました。

 これを機会にクレージーの他の作品も観たいですね。
2. Posted by きこり→しゅうさん   2010年12月04日 07:36
コメントありがとうございます。
都会はこういういい映画がちゃんと映画館で見られるからいいですね〜( ̄∇ ̄)
大画面でクレイジーが楽しめる幸せを私も、味わいたいです・・
脚本も飽きさせず、オチも決まって、誰もが楽しめる映画でしたわ〜

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