「ウォーカーズ 迷子の大人たち」最終回「のだめカンタービレ」第八回

2006年12月04日

「犬神家の一族」のこと

 もうすぐ、新版「犬神家の一族」が公開になりますね〜
1976年の「犬神家の一族」は映画館でも見ましたし、
放送される度に見ております。
 何故、こんなにもこの作品に惹きつけられるのか・・
多分、あのおどろおどろしい世界、陰惨な中にある美しさのようなもの、
そして、キャスト一人ひとりが勝負してるような佇まいを何度でも
見て見たいのかもしれません。

 映画は昭和22年、製薬王といわれた犬神財閥の創始者、犬神佐兵衛が一族の見守る中で息を引き取ろうとする場面から始まる。
「遺言状は?!」と問い詰める長女松子(高峰三枝子)の声に
佐兵衛は弁護士の古舘(小沢栄太郎 )を指差し、息を引き取る。
「ご臨終です」
で、テーマ曲スタート。

 この曲がいいんだわ〜
大野雄二ですよ〜
初めて聞いた時は衝撃を覚えました。
2006年版でもこのテーマ曲が使われるみたいなんでほっとしてますわ〜

 んで、佐兵衛の残した遺言状から一族の陰惨な連続殺人へと発展してしまうのだが・・・
 金田一耕助の登場シーン。
よれよれの着物に袴をつけて、頭にはチューリップハット(よく考えたらのっぽさんみたいだよね〜?)使い古した旅行鞄をかかえた金田一が風にふかれるように
でも足元はしっかりしている。
 この時、石坂浩二は35歳(1941年生まれ)、現在65?!!!!
ひえ〜?!!そっか〜ちょうど30年前なのね。
市川監督も90過ぎるはずだ〜
って、自分にも同じように30年が過ぎてるって訳で・・・ぐおーー



 金田一が宿帳に名前を記入するんですが、その字が定規で書いたような字体なんですよ、ちょっと意外だったわ〜
 あと、金田一耕助と言えば、フケですよ。
お風呂とかにもあんまり入らないから服も身体も垢だらけって設定なんじゃなかったっけか?で、頭を掻くとフケが雪のようにぼろぼろ・・
それを見た周りが顔をしかめるという。
 さあ、今回もその場面はあるんでしょうか?

 宿泊するのは那須ホテルとは名ばかりのぼろっちい宿、
そこの主人が作者の横溝正史だったんですが・・
もう亡くなっちゃったからね〜誰やるんだろう?と思ったら
三谷幸喜でしたよ〜作家つながり?
できれば横溝先生のように棒読みでやって欲しいな〜

 で、宿の手伝いのお姉ちゃん役は坂口良子さんだったのですが
最初に金田一に会った時のよそ者を見る目、宿の場所を聞かれた時の
無造作な感じ、一緒に歩いて行く時の好奇心を抑えられない目、
すごく印象に残りました。
 2006年版では、深田恭子さんがやるんですが・・
画面に出てきたらみんな心の中で「富豪のくせに何でこんなとこで働いてんだ?」って思っちゃうんじゃないですかね・・
でも、彼女は素朴な女の子の役もさらっとできそうなんでどんなふうに創っているのかすごく楽しみですよ。

 市川監督は「最初はね”全キャスト、前と同じで”って言ったんです。
半分本音で半分は冗談」とインタビューに答えてますが、実現したらおもしろいものになっただろうな〜
 今回、前回と同じ役で出演してるのが石坂さん以外では神官役の大滝秀治さんと
等々力署長役の加藤武さん。
いや〜生きてて良かった!

 で、今回けっこう楽しみにしてるのは珠世お嬢様(前回は島田陽子、今回は松嶋菜々子)を守る下僕のような猿蔵という男なんですよ。
前回は寺田稔さんという俳優さんだったんですが、けっこう体格もよくて
髪もざんばら、超人ハルクみたいな外見だったんですよ。
表情もいつも険しい感じ、で、全然しゃべらない。
電話に出てもしゃべらない。
なのに、最後に金田一を見送りに行く時だけ
「あの人のこと忘れられない!」と極上の笑顔を見せるのです。
今回は長澤俊矢さんという方が演じるらしいのでまた新しい猿蔵に出会えるのかしら?
 しかし、何といっても一番気になるのは佐清(スケキヨ)のマスクですよ。
夫が2006年版のパンフレットを持ってきてくれたんで見比べてみたんですが、
1976年のマスクは何だか憮然とした表情で怒りを秘めてる感じだったんですが、
今回のマスクはちょっとおすましさん風ですな・・で、ちょっと哀しそう。
あのマスクを剥ぐ時の音が妙にリアルなんだよな〜

 とりとめのない比較を書き続けてしまいましたが、
もちろん2006年版、映画館に見に行きますよ〜
でも、新年一本目の映画が「犬神家」っつーのもちょっとアレだけど、
ま、いっか・・・

 2006年版の「犬神家の一族」について書いた記事 
 「悪魔の手毬歌」と「獄門島」についての記事 

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matakita821 at 16:50│Comments(9)TrackBack(4)映画 

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2. 1976年版『犬神家の一族』  [ たいむのひとりごと ]   2006年12月11日 23:04
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3. 『犬神家の一族』(1976)  [ 【徒然なるままに・・・】 ]   2008年02月16日 08:50
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4. 犬神家の一族  [ 青いblog ]   2008年11月09日 15:40
1976年版。 石坂浩二さんの作品が観たくなったので。 金田一耕助って…事件を未然に防がないのね。 事件が起きる前に金田一が呼ばれて最初の事件が起き

この記事へのコメント

1. Posted by ヨーコ   2006年12月05日 06:50
5 金田一シリーズの中でも雰囲気の恐さって言ったら犬神家だよね〜。
スケキヨなんて名前から恐かったもん(笑。
何度も見ててストーリーがわかってても見ちゃう金田一シリーズ。
私達にとっての水戸黄門か(笑?
2. Posted by nanapu   2006年12月05日 10:28
うわぁ・・語りますね!?私は怖いから見ないよ〜
といいながら怖いもの見たさで何気にみてたりしてるけどね(^^;今回はきこりさんのレポートでいいかな(^^)
3. Posted by ルル   2006年12月05日 14:13
きこりさん、こんにちは〜。

「武士の一分」を観に行ったのですが
この宣伝もしっかり見ましたよ〜!

足のひっくり返ったさまや
ルーフウィンドウ(昔にしては洒落てる〜)の死体、、菊人形の首とか(>_<)
当時の映像に忠実な作りに見えたけど
(年、バレますね、、、笑)
キャスティングは、ナイスに感じました!

そういえば、、、旧版?には
原作者の横溝さんも
出演なさってましたよね??
4. Posted by きこり→ヨーコさん   2006年12月05日 22:10
>金田一シリーズの中でも雰囲気の恐さって言ったら犬神家だよね〜
そうだよね〜
しかも第一作だったから、その衝撃度はすごかったよ。
そういえば、角川春樹も刑事役で出てたんだよな〜
>私達にとっての水戸黄門か(笑?
水戸黄門なら、多少はストーリーも違うけど、
これはまるっきり同じだからね〜
それなのにその同じものを作っちゃおうってんだからね・・・市川監督恐るべし・・
5. Posted by きこり→nanapuさん   2006年12月05日 22:13
>うわぁ・・語りますね!?私は怖いから見ないよ
語るよ、わたしゃ〜
横溝正史シリーズはホント好きだも〜
TVシリーズも見てたし、小説も読んだよ。
でも、確かに心臓に悪いシーン満載だもんね〜
血がトバーーーとかさ・・
何度みてもギャーーー!!て思うもん(笑
6. Posted by ルル   2006年12月11日 12:04
こんにちは〜。
公開間近ですね。

TBもさせていただきました<(_ _)>
7. Posted by きこり→ルルさん   2006年12月11日 22:20
コメントの返事が遅れてしまってごめんなさい!!
m(_ _;)m
>「武士の一分」を観に行ったのですが
この宣伝もしっかり見ましたよ〜!
この宣伝が入った途端におどろおどろしい
雰囲気になったんじゃ・・
>当時の映像に忠実な作りに見えたけど
(年、バレますね、、、笑)
キャスティングは、ナイスに感じました!
ええ〜?!ルルさん、リアルタイムで見たんですか?
私よりはかなりお若いかと思いますが・・
殺され方もまるっきり同じなんですよね〜?
楽しみなような・・コワイような。
新しいキャスティングだと雰囲気も違いますよね〜
楽しみです。


8. Posted by たいむ   2006年12月11日 23:10
TBどうもです。
ルルさん、つながりの方ですか?輪が広がっていくって楽しいですねw

横溝正史作品が大好きで、金田一耕助が大好きで、実写では特に市川×石坂がベストだと思っています。作品的には「病院坂の首縊りの家」がすきなのですが、記念すべき「犬神家」別格。
試写会にいけないので、公開待ちですが当然初日です!楽しみですね。
9. Posted by きこり→たいむさん   2006年12月12日 14:38
>横溝正史作品が大好きで、金田一耕助が大好きで、
私も好きで、小説もドラマも見ていました。
あの独特の世界がたまらないです。
公開が待ち遠しいですね。
そして2006年版を見た方が1976年版も見てくれたらな〜と思います。
見比べるのもまた、楽し!ですよね。

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