「家族」第七回「犬神家の一族」のこと

2006年12月03日

「ウォーカーズ 迷子の大人たち」最終回

 さて、またお遍路の旅に戻って翔子(戸田菜穂)たちと合流した
徳久(江口洋介)と隆彦(三浦友和)。
でも、まだ徳久の母からだされた宿題の答えが出ていないと言って
よそよそしい翔子。
 「誰だって、自分が一番大事だよ。
結婚だって自分のためにするんだから」とフォローしようとする徳久だが・・
「徳久はどう?」翔子
答えられず・・・。

 一方、隆彦の方も心を入れ替えて
「やっぱり俺にはお前しかいない。よりを戻したい」と
昔のように手をつなごうと提案するが・・
「昔のことじゃなくて、これからのことなんじゃないかな?」靖子(風吹ジュン)

 何だか男の方が不器用なんですかね〜?
何とかしようとは思ってるんだけど、方法論を捜そうとしてつい前例に頼っちゃったりして・・・
 でも、女性側はそんなんじゃないのよ〜周りの基準とかじゃなくて
ただ、自分自身の考えでこっちと向き合ってほしい、って感じですかね。

 それにしても、讃岐うどん美味しそうでした。
お遍路の後のうどんは格別でしょうな〜

 お遍路の旅も終わりに近づいている。
何か答えを提示しなきゃ〜とあせった徳久は翔子に

「金じゃないよな〜仕事は・・
原点に戻ってエンジニアに戻るために会社を創る」と。
「逃げるんじゃなきゃいいけど・・。
心の底から徳久がそう思うんならいいよ」

 そんなに簡単には許してもらえませんよ〜
そして、とことん考え妥協しないからこその翔子ですもんね。

 そして隆彦と靖子の話し合いも続く。
田舎に帰って暮したいことは本気で、靖子のために英会話教室の講師に日本語を教える仕事を紹介してもらうことを頼んでみると話す隆彦。
しかし・・

「今、わかった。
私、日本語の教師がやりたかった訳じゃないの。
あなたと話がしたかっただけなの。
あなたが何て言うか聞きたかっただけなの。
歩きながら、どうしてあなたと結婚したのか考えていたの。
あなたの心にもっと近づきたいって思ったから。
なのに、この30年の間、もっと遠くに離れてしまった。
ごめんなさい、離婚なんかしたくないの・・・
心の置き所がみつからないだけなの」靖子

 話し合っているうちに、靖子自身も気づかなかった本当の切実な気持ちが出て、
その言葉に、あらためて靖子の寂しさ苦しさを感じた隆彦。
そしてやっとあるがままの自分達の状態を認めることができた。

「答えが出た。
失敗だったと思うよ、俺たちの30年は。
俺がどう思おうとお前があんな悲しい気持ちでいたんだったら失敗だ。
でも、俺はお前と一緒にいたいんだ。
お前より好きになった女がいないんだよ。
だから、最初からやりなおそう。
本当の夫婦になれるまで何年かかるかわからないけど、お前とやり直したいんだ」
 うなづく靖子。

 今までの自分が間違っていたと受け入れることができなければ、
前に進めませんもんね。
今までは父親、夫の役を演じていただけだったという隆彦。
本当の自分を見つけるための旅をやっと始められる。
それも靖子というパートナーと一緒に。
よかったねぇ〜

 んで、周りはみんな結願ブームですっきりした様子。
エリとヒロシもうどんを食べながら盛り上がっている。
そんな2人に「あちらのお客様からです」とうどんが・・
坂田の粋なはからいにウケる2人。
いいね〜坂田のおっさん、今を生きてるって感じですね〜

 でも徳久は・・・
『おいてけぼりだ・・俺だけ・・この旅は意味があったんだろうか・・』

 八十八番では進藤夫婦(森本レオ・鷲尾真知子)が待っていた。
息子から携帯の留守電に「八十八番で待っている」と連絡が入ったので
戻ってきたのだ。
 その携帯を見て「俺が初めて企画をまかされて作った携帯です。
今は胸をはれます。俺の携帯が親子を結び付けたんだって」

 徳久の心も決まったようですね。
「翔子の事を自分のことよりも大事と思える奴になりたい!。
翔子もそういうふうに思ってくれたらそれが理想だよ。
だめな時はまだまだだめだと思ってがんばればいいんじゃないか?
2人がそういうふうに思っていれば、そういう夫婦になれるよ。
だから、俺と結婚してくれないか?」
うなづく翔子。

 完全な悟りなんてないんですね。
その年代、その時で、それぞれ到達できる思いというのがあるのだと思います。
その思いはこれから、変化していくのかもしれませんが、
そこに到るまでの道が大切なんでしょう。

 坂田(原田芳雄)が好きだと言っていた句
「蜘蛛は網をはる 私は私を肯定する」
今あるがままの自分を受け入れる、全てはそこから始まるんでしょう。

 みんながそれぞれすがすがしい思いで休んでいると、
徳大(市川左團次)と道代(加藤登紀子)がお遍路姿で現れる。
酒を酌み交わしながら話す徳久。

「寺は継がんわ。今までと同じ携帯電話を創る。
競争や出世のためじゃない、使ってくれる人のために。
これが俺の仕事だと決めたけんな。
お遍路に行ってよかったよ・・」徳久
「お遍路は終らんのじゃ。
お前が、これから初めてお前が本当に自分で決めた道を歩く、これがお遍路じゃ。
生きていくことがお遍路なんじゃ・・」

 市川左團次さん、坂田も言っていたようにええお顔じゃ〜
相手をじっくりと見守りながら、愛情を持って待ち、
その相手が決めた事を広い心で受け止めて、また愛を持って見送る。
この徳大さんの姿に人として親としての姿を見たように思いました。

 そして、最後にカメラを捨てようと思った坂田に再びカメラを持たせたのが
徳久の父だったと明かされましたね。
徳大さんによって、また生きる希望を見つけた坂田が
今度は、その息子徳久の旅を助ける。
人の縁とは何と不思議でおもしろいもんなんでしょう。

「じゃあ、最後に聞きたい。
これから、又、迷ったらどうする?」坂田
「歩きます!」徳久
それを聞いた坂田の笑顔。

 いや〜本当に久しぶりにいいドラマに出会ったな〜と心から思いました。
人は皆、迷い苦しむ。
でも、その中から何がしかの真実を見つけ出して歩いていこうとするものなんですね。
迷い苦しむからこそ人生とも言える。
何だか、自分自身を振り返ると恥ずかしいことばかりで、
このドラマの登場人物たちのように、本当の自分を見つめる勇気があるのか・・と
苦しく思ったりもしましたが、
素直に前を向いて歩いていきたいと思わせてくれるドラマでした。
出演者皆さんとスタッフに心から拍手を送りたいと思います。 

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1. ウォーカーズ〜迷子の大人たち最終回  [ ぱるぷんて海の家 ]   2006年12月03日 16:43
いよいよ結願(けちがん)です。 72番までのお寺は知ってるけど、そこから先のお寺はまだ未知の場所です。それだけにウォーカーズに先を越されたようなチョット複雑。 結願の地讃岐に入って、それそれのウォーカーズは徐々に荷物を軽くしたようです。でも何か最終回とい....
2. 【ウォーカーズ 〜迷子の大人たち】総括感想  [ 見取り八段・実0段 ]   2006年12月03日 18:07
「四国・お遍路」とは、よく聞くけれども、大して興味は無かった。宗教的な物だから、無宗教な自分には関わりのない物だと思いこんでいたのだ。ドラマを見ようと思ったのは、単に他に見る物が無かったから、と江口洋介が主演だったから。「江口ちゃんがお遍路さん?何か合...
見終わってとってもスッキリした気分、そう、まさに私も一つの旅を終えた気分だ。
4. NHK土曜ドラマ「ウォーカーズ」最終回 江口洋介  [ めいほあしあんだ ]   2006年12月04日 01:44
迷ったら、また歩けばいい。 自分で、自分を肯定すること。

この記事へのコメント

1. Posted by ドラミッタム   2006年12月04日 00:41
>蜘蛛は網をはる 私は私を肯定する
これが一番難しいんですよねぇ。自分を肯定すると言うことは自己を見ると言うことですよね?自己を見つめなおしたとき何が見えるんだろうって言う怖さと何が残るんだろうと思ってしまう
このドラマはいろいろと自分と言うものを考えさせられるドラマでした…
2. Posted by まりりん   2006年12月04日 01:08
きこりさん、こんばんは!
どうもライブドラへのTBが飛ばなくなってしまったので、とりあえずコメントだけ書かせてもらいますね。

>心の置き所がみつからないだけなの」靖子
夫に慢性的に不満を抱えている妻は多く、その理由をああだこうだ言ってるんだけど、実は、靖子のように、「結局ちゃんと向き合って話しをしたいのにしてくれない」ってことが根本原因なんだということに、気づいていない人ってものすごく多いんですよね。

このドラマって、この結論への持って行き方が、ものすごくうまかったなとしみじみ思いました。
主人公カップルよりもよっぽどここの夫婦の方が、リアルで興味深かったです。

ほんとに良いドラマで、見たかいがありましたよね!きこりさんとぱるぷんてさんと、最後まで3人歩きできてとっても嬉しかったです。
では、またよろしくです〜!
3. Posted by きこり→ドラミッタムさん   2006年12月04日 06:04
>これが一番難しいんですよねぇ。
そうなんですよね〜
肯定できるような自分か?とか・・
実は違うんじゃ・・?とか。
本当の自分自身と出会うってすごく難しいことだと
思います。
人が見ている自分と自分が思っている自分って
かなり違うんだろうな〜と。
>このドラマはいろいろと自分と言うものを考えさせられるドラマでした…
押し付けがましくなく、自然といろんなことが
考えさせられるいいドラマでしたね〜
4. Posted by きこり→まりりんさん   2006年12月04日 06:12
>このドラマって、この結論への持って行き方が、ものすごくうまかったなとしみじみ思いました。
そうなんですよ〜
結局は、夫と語り合いたかったんだってことだったんですが、そのに到るまでの描き方がすごくうまかった。
歩きながら考えながら、やっと自分の本当の気持ちに出会って、相手にも伝えることができたんですよね。
>ほんとに良いドラマで、見たかいがありましたよね!
そのドラマに出会えたことに感謝するドラマってそうそうないんですが、今回はそんな感じでしたね。
そして、そのドラマについて語り合える相手がいる嬉しさを改めて感じましたよ〜!
ありがとうございました。
また、よろしくお願いします〜

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