「弁護士のくず」第六回季節はずれのサンタたち

2006年05月20日

「てるてるあした」第六回

 久代(草笛光子)は風邪による熱で倒れただけだった。
ほっとする一同。しかし、大事をとって入院することに。

 入院先の先生も久代の教え子。
他に先生はいないのか?
さて、最近入院を体験した末広屋の店長ブラザートムさんが心配そうについていました。
久代のように毅然とした厳しさを持った先生は昔はたくさんいたように思いますが、
厳しくても本当の愛情と言うのは必ず伝わるはず。
教え子達は、それを知っているから、久代のことを慕ってるんですね。

 珠代(富士真奈美)から久代にも身内がいたことを知らされた照代(黒川智花)
「そっか〜オニバーにも家族がいたんだ」
一人息子が東京で銀行員をしてるらしいが、その嫁と久代の折り合いが
悪くて音信不通になったらしい。

 今回はやす子から照代へのアピールがかなりありました。
照代が自分の部屋に入ると、また教室にいて過去の久代とやす子との30年前の出会いの再現が行われる。
 やす子に導かれて久代の部屋に来た照代はそこでアルバムと挟まれていた
新聞記事を見つける。
アメリカで母親にネグレクトされた女児がたった一人で冷蔵庫にあるケチャップやからしを食べて生き延びたという記事。
 サヤと二人で真剣にやす子のことを調べることにする照代。

 久代が留守にしてるから、あんなに食べたかったケーキやドーナッツの食事をするのに「思ってたよりおいしくない・・」
目覚まし時計との競争(?)に勝っても、喜びもいまいち・・
照代にとってはいつのまにか久代のいる家が自分の家になってきてるんですね。
 久代の入院は照代にとって久代のことをじっくり考えるいい機会だったようです。

 照代は久代の入院先で久代の昔の同僚国木田(米倉斉加年)に会い、
やす子のことを聞こうとするがなかなか機会がない。
 サヤの夫が陽太(金子昇)に憑依して陽太が熱で苦しんでいることを知らせに来る。
看病しているうちに夫への思いが高鳴りつい抱きついてしまう所を
照代に見られてしまう。

 先週サヤの生の心をぶつけられた照代の中では
大切な存在になってきているサヤ。そのサヤに嘘をつかれていたと思って
ストレートに怒りをぶつける照代が良かったですね〜。
そして、陽太ではなく夫が来たというサヤの言葉を信じる照代。
 もともと素直な性質だったとは思うのですが、
いろいろな事で曲がりそうだった照代の心は久代やサヤという
きちんとした大人に見守られることによって、まっすぐに伸びていけそうです。
 
 大人に指導されることによって子供は子供として生きていくことができるし、
だからこそきちんと大人への階段を上っていくことができる。
中途半端な大人子供や子供大人ではなく。

 退院してきた久代の元に国木田がやってくる。
久代への思いを伝え、お互い独り者同士茶飲み友達として暮さないかという国木田。
 しかし、久代は自分には照代を育てる責任があると言い断る。
「正直に言うよ。あんたの事は好きだった。
52年前だったらうんと言ったかもしれない」
「それを聞いてうれしいよ。もう心残りはないよ」

 久代に言われて病院に電話をすると、国木田は今、息を引き取ったと。
ずっとICUに居た、国木田は生霊となってみんなの前に現れたのだった。
「心残りってのは、死んでまで引きずるもんじゃないからね。
これからはゆっくり休んでおくれ」久代

 久代には最初っから国木田が生霊だとわかっていたのですね。
だから、自分の気持ちもはっきりと伝えた。
その姿に凛としてすてきな女性だったんだろうな〜と伝わってきました。
 照代はやす子の心残りを知りたいと思い、久代に尋ねる。

「その絵はやす子の母親だよ。
やす子はあの記事と同じような生活をしてたんだ」
男と遊び歩いて子供をほうりっ放しの母親の元で、
冷蔵庫の中にあるものを何でも口にしながら生き延びてきたやす子。
「あの子にとっては冷蔵庫が母親だったんだ」
「どうして話してくれなかったの?」
「アンタを信じていなかったからだ」
 ショックを受けて部屋にこもる照代。

 店長が照代を気遣ってやってきましたね。
やす子の事を話すことは照代自身の現在の状況にもつながり、
照代を傷つけたくなかったから久代は話そうとしなかったんだ・・と。
 母親の愛を求める孤独な照代の魂と、同じように孤独だったやす子の魂が呼び合い
共鳴しあっていたのですね。
 やす子の気持ちが一番分かるのは私かもしれない・・・
現れたやす子に
「やす子ちゃん、ごめんね、何もしてあげられなくてごめんね」
抱きしめる照代。やす子の目からも涙が・・

 行き場をなくしてしまった届かなかった強い思い・・・その思いはどこへ行くのでしょうか。
あふれる思いを受け取ってほしい、見つけて欲しい、思いはみんな同じはずなのにうまくいかないことの方が多い。
 陽太のサヤへの思い。
サヤの夫への思い。
せつなく泣き続けるしかないサヤの心を思うと苦しかったです。
 照代に抱きとめられたやす子の思いは癒されたでしょうか。
やす子を抱きしめることによって、照代の中にも暖かいものが生まれたと思います。

 人間同士の思いを繊細に描いたすばらしい脚本でした。
来週はまた、ちょっとコミカル路線に戻りそうですね。
それも、またよし。楽しみです。

このエントリーをはてなブックマークに追加

トラックバックURL

この記事へのトラックバック

1. てるてるあした #6 「一人ぼっちの少女」  [ テレビお気楽日記 ]   2006年05月21日 10:39
救急車で運ばれた久代(草笛光子)は風邪だった。大袈裟だと怒る久代だが安心する一同。教え子の医師・江藤(おかやまはじめ)の勧めで、しばらく入院する事に。小さい頃から、お医者さんごっこをしていたらしい。このエロ医者。 久代の息子は東京で銀行員をしているらしい。そ....
2. てるてるあした−一人ぼっちの少女−(05/19)  [ まあぼの交差点 ]   2006年05月21日 10:40
「かぜっっっ?!!!」から始まった今回の,てるてるあした−一人ぼっちの少女−だが,救急隊員だけではなく,医者のエトウも教え子だった(笑)先週「笹乃館にいるまたは集まるメンバーがこれを機に少しずつ自立していくのかしら?」などと書いたが,「かぜ」ということで...
3. てるてるあした 第6話:一人ぼっちの少女  [ あるがまま・・・ ]   2006年05月21日 11:23
お母さんは冷蔵庫。・゚・(ノД`)・゚・。 うえええん やす子はどんな気持ちでケチャップを・・・{/hiyo_cry2/} そんなやす子の境遇を照代に伝えられなかった久代の優しさ{/face_naki/} そしてやす子を優しく抱きしめる照代{/kaeru_cry/} 照代の前に現れるやす子の姿って、...
4. てるてるあした 第6話  [ どらま・のーと ]   2006年05月21日 11:30
『一人ぼっちの少女』 久代(草笛光子)が倒れて病院に運ばれた。 ただの風邪だったが、医師の江藤(おかやまはじめ)の勧めで、 安静のためにしばらく入院することに。 ちなみにこの江藤も久代さんの元教え子。 子供の頃、よくお医者さんごっこをして遊んでいたらしい。 ....
5. 「てるてるあした」第6回  [ 気ままにいきましょう! ]   2006年05月21日 19:00
『一人ぼっちの少女』
6. 「てるてるあした」第6話  [ 三毛猫《sannkeneko》の飼い主の日常 ]   2006年05月21日 19:57
人が人を想うということ。 人として自然なことがこんなにも切なく哀しい・・・。 「てるてるあした」第6話
7. 『てるてるあした』第6回 感想?  [ つれづれなる・・・日記? ]   2006年05月21日 21:00
サイは投げられました。あとは突き進むだけ? って思ってたらどうも、そうでない感じ。
8. てるてるあした 第6話  [ 塩ひとつまみ ]   2006年05月21日 21:54
『てるてるあした     ひとりでいきてる ひとなどいない』 メールを見て 私は一人で大丈夫なんだよ と言う照代でしたが 久代が入院していなくなって、少し調子が狂っていたみ
9. 【てるてるあした】第6話  [ 見取り八段・実0段 ]   2006年05月22日 00:37
やす子が描いた「お母さんの絵」の意味が解った。画用紙いっぱいに、「日」 とだけ描かれた「お母さんの絵」。やす子は、久代の生徒だった。やす子の母は、身持ちの悪い女で、子供のやす子を置いて何日も男の所へ入り浸っていた。その間、やす子は冷蔵庫の中を漁って、何...
10. てるてるあした 第6話  [ まいにちおきらく! ]   2006年05月22日 03:47
「お母さんの絵」の謎が明らかに。 なんと衝撃的な種明かしか。あーもー、泣かされち...
11. まだまだ出る出る二朗さん(てるてるあした#6)  [ |あんぱ的日々放談|∇ ̄●)ο ]   2006年05月22日 12:55
てるてる あした。ひとりでいきてるひとなどいない。DCカードに続いて、マスターカードもRefuse。チーム青森の差し金か? 西郷どんの差し金か?やはり多くの人間が、僕の死を望んでいるらしい。消えてなくなる事が、みんなの幸せなのかもしれない。
12. まだまだ出る出る二朗さん(てるてるあした#6)  [ |あんぱ的日々放談|∇ ̄●)ο ]   2006年05月22日 12:57
てるてる あした。ひとりでいきてるひとなどいない。DCカードに続いて、マスターカードもRefuse。チーム青森の差し金か? 西郷どんの差し金か?やはり多くの人間が、僕の死を望んでいるらしい。消えてなくなる事が、みんなの幸せなのかもしれない。
13. 【テレビ】てるてるあした #6  [ まぁ、お茶でも ]   2006年05月23日 04:05
照代は、母親が何でよく知らない久代に自分を預けたのかと不思議に思っていた。
14. 『てるてるあした』 第6話 「一人ぼっちの少女」  [ 老舗ワタクシ本舗 ]   2006年05月23日 16:25
久代(草笛光子)が倒れて病院に運ばれた。ただの風邪だったが、 医師の江藤(おかやまはじめ)の勧めで、安静のためにしばらく入院することに。 珠子(冨士眞奈美)と夏江(大森暁美)の話によると、 久代の夫は亡くなっているが、結婚した息子がひとり東京にいるらしい...

この記事へのコメント

1. Posted by まこ   2006年05月21日 11:40
心残りかぁ・・・
あっ!国木田さんて最初から生霊だったんだだから突然いなくなったりしてたんですねー。
きこりさんの感想で、その他画面からは読み取れなかった色んな深ーーーい部分を知り、改めてうるうるきちまいましたわー
あぁ、どうだったのねーって!(笑)
でもこのわかりにくさ(あたしだけ?汗)というか、
不思議な空気感がたまりましぇん
2. Posted by きこり→まこさん   2006年05月21日 14:28
何か米倉さんて、もともと生霊っぽいですよね・・なんちて
何か今回は泣かされましたよ〜
やす子ちゃんの涙にも照代の涙にも、
サヤの涙にも・・陽太も影で泣いていたかな?
そういえば、末広屋の人形怖くなかったですか?
3. Posted by ミマム   2006年05月21日 21:53
きこりさん、こんばんは。
とてもいいお話でしたよね。
サヤが声を上げて泣いている姿は切なかったです。
末広屋の人形にはちょっとビビりました。
→まこさんへのコメントなのに
私が返事しちゃってゴメンナサイ(^^ゞ
4. Posted by 半蔵   2006年05月22日 13:11
あの絵、冷蔵庫だったんですね〜。
かわいそうな話です…。生霊になって現れたあの人も
泣けてしまいました〜。私実は結構涙もろいので( ̄_ ̄;
今回はかなりせつない話でしたね〜
5. Posted by きこり→半蔵さん   2006年05月22日 13:45
私も年のせいか・・涙腺が弱くってねぇ〜
まさか、こう来るとは・・・!
このドラマには毎回泣かされております。
しかし、麻由子ちゃん、いつも同じ服・・
たまには違う服を着せてやりたいよ・・
6. Posted by きこり→ミマムさん   2006年05月22日 13:50
サヤの泣き声はすごく切なかったですよね・・・
死んじゃっちゃ〜ダメだ〜
やっぱ、人間は一人では生きていけないですよね・・
そう、あの人形何なんでしょう・・・怖いけど知りたいです〜(笑
7. Posted by mari   2006年05月23日 03:59
きこりさん、こんばんは。
私も照代が、ヤス子を抱き締めて泣いたとき
すっかり一緒に泣いていました。
切なかったですね。
8. Posted by きこり→mariさん   2006年05月23日 05:42
死んでまで残る思い、サヤの旦那さんもそうですが、それがうまく解決して生きているほうも死んでしまった方も心残りなく逝けたらいいんですが・・
やす子は照代のおかげでだいぶ救われましたよね・・
9. Posted by めいまま   2006年05月23日 16:34
同じ服といえば、やす子は死んでいるのか?
今回の国木田の件で改めて考えちゃった。
冷蔵庫の調味料で生き延びてきて、一時久代が預かって
現在の照代部屋にいたんだよね?
その後何があったんだろう?
死んでいるからあのままなのか?
その当時の思いがあの場所にいるのか?
謎だわ〜!?
今回はいろんな場面で涙が・・・
泣きべぇの自分は、じるじる状態ですいつも(爆)
(汚いっつうの!)すみません。^^;
10. Posted by きこり→めいままさん   2006年05月24日 05:48
そうですよね〜てっきり死んでいるのかと思いましたが、それじゃあまりにも悲しすぎますよね。
ただ、その頃の思いだけが残っていて照代に見せているのか・・・成長したやす子はどこかに生きていてこどもの頃の生霊だけが?
うーむ、どうなんでしょう・・・
私なんて主題歌聞いただけでじわ〜っと・・
泣く気まんまん?

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
「弁護士のくず」第六回季節はずれのサンタたち