「神はサイコロを振らない」第二回「小早川伸木の恋」第三回

2006年01月27日

「白夜行」第三回

 脅してきた菊池を罠にはめたものの笹垣(武田鉄矢)の追求の手は緩まない。
怯える亮司(山田孝之)。
 雪穂(綾瀬はるか)も傷を負わせた藤村を家に送った時、
笹垣が出入りしているのを見て動揺する。
 
 雪穂は、誰にも知られないように亮のいるアパートへと訪ねる。
「何とかしないと捕まるでしょ!」
「できれば穏やかに行きたいじゃない。時効まで」
危機状態に反応が鈍い亮にいらだった雪穂は藤村の事件現場の写真を持って去る。
「あなたがコケたら、私も終わりなんで」

 雪穂は多分ずっとギリギリの状態で、常に正体がばれないかということに
神経に気をくばって生きてきたのでしょう。
雪穂にとっての7年はとにかく生き延びるための戦いだった。
亮に対するふてぶてしいまでの態度も全ては生き残るため、ただそのため。
亮司にとっては自分の犯した罪の重さと戦い続けた7年だった。

 しかし、笹垣「おまえら逃がさへんぞ」
この執念と執拗さ、憎々しいほどです。
笹垣がどの犯罪に対してもそうなのか・・・
それともこの事件に対してだけそうなのか・・・
もしそうならその理由づけが欲しいところです。

 松浦(渡部篤郎)に強要されて売春の仲買をしていた亮だったが、
笹垣の追求を恐れてやめさせてくれと松浦に頼むが痛めつけられて終わり。
「もし俺がお前の共犯だったら怖くてやってらんないよ」
と亮が証拠の品をいつまでも持っていることを責める。

 『俺はまだ人間でいたかった。
犯した罪のあとかたに痛みを感じていたかった・・・せめて』
あちこちの川に証拠の品を捨てていく亮。
しかし、はさみは捨てることができない。

 礼拝堂で被害届を出すべきかどうか藤村から相談を受ける雪穂。
それとなく笹垣の情報を得ようとするが・・
「犯人は罪に罪を重ねている。犯人の為にも社会のためにも捕まえなきゃならないって、言ってた」
その言葉にキラリ目を光らせ十字架を睨む雪穂。

 自分の犯した罪の重さにこだわり続けながら良心の呵責に苦しむ亮に対して、
殺人のことは忘れ、良心は捨て去り運命に対して戦いを臨み続けるような雪穂。
同じ七年という時が流れましたが、2人の心の中は微妙に違っていたのです。

 ついに亮の元へ笹垣がやってくる。思わず逃げる亮。
雪穂に電話をして助けを求めるが責められる。
 雪穂は藤村に被害届を出させないために、暴行現場の写真をロッカーに入れる。
さらに、それとなく被害届を出さないように話を持っていく。
怯える藤村を家まで送っていくと笹垣とかち合う。
すぐに気が付いて雪穂を追う笹垣。
「オマエ!あの子に何をしたんや?!」
「(今気づいたように)笹垣さん?」
「桐原亮司は元気にしとんのか?」
「知らない方なんで」
「君と同じ本が好きやったみたいやで」
(微笑みながら)「皮肉な話ですね。被害者の息子と加害者の娘が同じ本を好きなんて・・・」

 そしらぬ顔で笹垣の言葉をやりすごす雪穂。

 浮浪者の吹き溜まりのような場所で松浦と会う亮司。
「オマエ人殺しなんだよ。いつまでも善人ズラしてないで認めろ。
自首しろ、もしくは自殺しろ」

 いや〜ゴキブリのような男松浦にぴったりですね、渡部さん。
毛皮のコートがお似合いです。
どぶの中で生きる殺しても死なないような男・・・
やっぱり平凡な男の役よりもこっちの方が合ってますね〜

 そんな時、売春をやらせていた園村から一緒にいた女が死んだと電話が入る。
松浦に「何とかしといてよ」と言われ、またしても雪穂に助けを求める亮司。
「もう自首しない?こんなことしてあと8年も持つわけがない」
弱気の亮に対して、園村じゃなく別の人間が会っていた事にしようと
工作をもちかける雪穂。思わずキレる亮司。
「何のためにそこまでしなきゃならないんだよ!」
「ここでやめたら何の意味もなくなるでしょ!」
「逃げ切ったところで幸せになれるわけないだろ!」
その言葉に自首を決める雪穂。

 最後に行きたいと言って教会へと連れて行く雪穂。
壁や床に神をののしる言葉を書き続ける。
「結婚したいって言うと思った?」
「この人に媚を売ったところで全然幸せになんかなれなかった。
私もけっこうなうそつきだけど、この人もたいがいだよ。
神の前には平等とか・・・うそばっか・・うそばっか!!」
蜀台やステンドグラスを破壊し始める雪穂。

 雪穂にとってこの7年がどれほど辛く苦しい時だったか、
毎日毎日祈るようにたった一人で戦いながら生きてきたことを理解した亮。
そして、自分のためではなく雪穂のために生き抜いていくことを決める。
「俺、強くなるよ。
ごめんな・・今まで一人でがんばらせて。俺がんばるから」
「後悔するよ」
「雪穂が二度と手を汚さないですむように。誓う、唐沢雪穂に」
『その日、俺は最後の良心を捨てたんだ。死んだ女の中に。全てをゼロに』

 松浦の協力で自分の死亡を偽装することにした亮司。
久々に会いに行った母親は、亮司のポケットから死亡証明書を見つけ全てを理解する。
夜中出て行く亮に「アンタは船に乗って死んだ。そういうことでいいんだよね」
「ありがとう、母ちゃん」

 何の愛情も持っていないかのように見えた弥生子(麻生祐未)でしたが、
亮司に対する愛はあったんですね。
でも、それがわかったのが偽装にせよ死ぬ時とは・・・
何もかもが最初っから間違っていたんですね。

 図書館の谷口(余貴美子)に卒業証書を渡し別れの挨拶をして去る亮司。
入れ違いに雪穂が現われ、本の中の手紙と死亡届けのコピーを見つける。
『雪穂、夢が見つかったよ。
俺、レット・バトラーみたいに生きてやろうと思う。
不平等なあの人があなたにくれなかったものを何もかもあげたい。
夢をかなえるために死ねるなんて、とても幸せだと思わないか』

 駅へと走る雪穂。
列車に乗ろうとする亮司をつかまえ、抱きしめてキスをする雪穂。
「ありがとう、最高の卒業祝いだよ。
亮のことは、ずっと私が憶えているから」

 「行かないで」ではなく「ありがとう」と言った雪穂。
殺人という罪の絆で結ばれた二人でしたが、道は別れてしまったようです。
どこまでも生き抜いてやろうという強い意志をもった雪穂と
殺人をきっかけに自分が死んでしまったような、しかし雪穂のために生きようとしている亮司。表面上死んだことによってもしかしたら楽になったのかもしれません。

 ただ一人亮司のことを暖かく見守った図書館の谷口さん、
そういう大人が一人でもいたということが亮司に伝わったのがせめてもの救いでした。

 影として生きることになった亮司と
あくまで日向を歩こうとする雪穂の関係はどうなったいくのか・・・
気になるどころじゃありません。

 先が知りたくて原作読んだよという方 ポチッとお願いします。
      人気blogランキングへ

このエントリーをはてなブックマークに追加
matakita821 at 16:17│Comments(8)TrackBack(11)「白夜行」 

トラックバックURL

この記事へのトラックバック

1. 白夜行 第3話  [ Happy☆Lucky ]   2006年01月27日 16:48
雪穂が嫌な部分をこれでもかと見せ付けてくれた第3話。
2. 白夜行 第3話:さよならの光  [ あるがまま・・・ ]   2006年01月27日 16:58
雪穂ってば怖っ!((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル そりゃ同じ年月が経過したと言っても、被害者の息子として歩んだ亮司と 加害者・犯罪者の娘として、様々な困難を浴びながら生きてきた雪穂とでは 腹の座りようが違うわなぁ・・・{/kaeru_shock2/} 笹垣を見て、思...
3. 【ドラマ雑感】 白夜行 (第3話/全11回) 「さよならの光」  [ 気ままなNotes... ]   2006年01月27日 20:04
 白夜行(第3話)◇笹垣(武田鉄矢)が都子(倉沢桃子)の事件を立件し、7年前の事件まで蒸し返そうとしていることを知った雪穂(綾瀬はるか)は、不安を胸に亮司(山田孝之)のもとへ駆け込んだ。どんなに罪を重ねても逃げ延びたい雪穂に亮司は尻込みするが、笹垣は容赦なく...
4. 白夜行 第3話〜さよならの光〜  [ 30 on the spot ]   2006年01月27日 21:20
白夜行 第3話の概要です。 笹垣(武田鉄矢)が藤村都子(倉沢桃子)の事件を立件し、7年前の事件まで蒸し返そうとしていることを知った雪穂(綾瀬はるか)は、不安を胸に亮司(山田孝之)の元へ駆け込んだ。そして、捕まることを恐れ、罪に罪を重ねるという雪穂に亮司は尻....
5. 白夜行 第3話  [ みんなのうた♪ ]   2006年01月27日 22:18
同級生の菊地が、笹垣に『桐原のことで話があるんですが…』というところで終わった第2話。めちゃくちゃ気になります!!頼むから余計なこと言わないで!と願いつつ第3話を見ました 第3話の簡単なあらすじ笹垣(武田鉄矢)が藤村都子(倉沢桃子)の事件を立件し、7年前の...
6. 白夜行 第3話  [ どらま・のーと ]   2006年01月27日 22:51
『さよならの光』 1998年12月。 川辺でハサミを見つめながら 「もう一回、太陽の下、亮君と歩くんだよ。」 そう言った雪穂の言葉を思う亮司(山田孝之)。 その頃菊池(田中圭)は笹垣(武田鉄矢)ら刑事に、 亮司が自分を陥れる為に暴行事件を仕組んだのではと訴える。 「...
7. 『白夜行』第3回 感想?  [ つれづれなる・・・日記? ]   2006年01月27日 23:04
もっとどぎつきなるかと思ったら、思ったよりは普通・・。 っていう感覚はまずいのかもしんない。
8. 【テレビ】白夜行(第3回)  [ まぁ、お茶でも ]   2006年01月28日 04:02
皮肉な話ですね。被害者の息子さんと加害者の娘が同じ本を好きだったなんて。と雪穂。 笹垣の追求にも、平然と受け答えしていた。最後まで笹垣は追い詰めるようです。
9. 白夜行  [ virginいばら姫 ]   2006年01月28日 11:47
4 白夜行ドラマ化されてるとは知らずに読んで、怖くて悲しくて夜眠れなくなっちゃったわ良いタイトルだと思った。すごく。
10. 『白夜行』 第3話 「さよならの光」  [ 老舗ワタクシ本舗 ]   2006年01月30日 10:03
1998年 12月 ーもう一回太陽の下、亮くんと歩くんだよー 川原でハサミを片手に考え込む亮司(山田孝之) 「桐原亮司が君を犯人に仕立て上げる為に暴行事件を仕組んだっていうのか?」 「それ以外考えられねぇんだよ」菊池(田中圭) 「そんな事して桐原亮司に何のメリ...
11. 白夜行 第3話  [ のんびりいきましょ。 ]   2006年01月30日 20:20
いやーーーーーーーん。{/kaeru_shock1/} バトラーになるって・・・死亡届って・・・お母さんと涙の別れって・・・{/ase/} これはもう、本当に原作とは別物語になってしまうのね。{/face_naki/} やけに人間味あふれる亮司に戸惑ってしまう。 どうしてもこのセカチューコンビ...

この記事へのコメント

1. Posted by まこ   2006年01月27日 16:58
7年目の事件には同情の余地がありましたが、もはや・・・
前回までは二人に対して「犯罪を上手く隠し通せますように」と願ってたあたしですが、今回笹垣が雪穂の友人に言った「犯人は、罪に罪を重ねている可能性がある。社会のためにも、犯人のためにも、捕まえなきゃいけない。」の言葉に大きく頷いてしまいました。
もう、頑張らなくていいよ・・・((((_ _|||))))
雪穂、怖い・・・
2. Posted by きこり→まこさん   2006年01月28日 06:30
でも、雪穂の勢いはとまらない。
生き残るためにどんなことでもしそうです。
そんな雪穂のために死んだことにした亮司が
ホントかわいそうでした。
何か、男女の違いを見せ付けられたような・・・
どんどん、見るの苦しくなりますね〜
3. Posted by ヨーコ   2006年01月28日 07:42
いつも駅で堂々と会っちゃう二人のシーンを「武田鉄矢が来たらど〜すんのよっ!」ってハラハラしながら見てるのは私だけ(笑?
あんなに隠れて他人のフリしてるのに、駅だけ大胆じゃない(笑!公共の場なのにさ〜。
来週の予告見たら、更に楽しみになっちゃったよ!
それにしても武田鉄矢はしつこいっ!
4. Posted by きこり→ヨーコさん   2006年01月28日 10:59
そうそう!駅でいろんな人に見られてるし
そんなにゆっくりしてていいのかい?って感じ。
武田鉄矢が来るぞ〜!!
最後の教会での破壊も、
人が来るの遅すぎだぞ〜!しかも顔見られてるし・・・
雪穂よりもわたしゃ、亮司派だな〜
すっかり山田孝之好きになっちゃたよ〜
5. Posted by miyabi   2006年01月29日 09:12
はじめまして。
miyabiと申します。
自分たちの思いを貫くために犯罪をかさねて
行くというのは、悲しいものです・・
山田君も、はるかちゃんも今までのイメージとは
違いますよね。
予告を見て来週も楽しみです。
TB送らせていただきますね。
6. Posted by きこり→miyabiさん   2006年01月29日 12:18
そうですね。
今回は自分の死亡証明書が愛の証になるなんて・・
ホントに皮肉というか、亮司がかわいそうで・・・
綾瀬はるかさんも、かなりがんばってますよね。
ますます楽しみです。
7. Posted by めいまま   2006年01月30日 10:12
TBありがとうございます。
そうです、今回はちょっと納得出来ない場面が多過ぎた。
雪穂の7年はやっぱり、亮司よりは辛いものだった事は
想像に難くないが、しかし、亮司はまだ18才、死んで、この世に
存在しない人間として生きて行くにはあまりにも過酷過ぎる年数と思います。
それなのに、最高のお祝いだ!なんて、死亡届を喜んでいいの?
罪を隠すため罪を重ねる二人ですが・・・
亮司に対する良心はないのか?雪穂?と思ってしまった。
8. Posted by きこり→めいままさん   2006年01月30日 13:33
そうなんですよ〜
亮司の覚悟に対して「ありがとう」なんて
あまりにも自分勝手過ぎないかい?
と思って、
雪穂は自分の中で殺人を肯定してから
どんどん変わって行ったと言うか、
恐ろしい女になってしまったんだな〜と思いました。
肯定できない亮司は苦しみ続けたのですが、
人間性は失わなかった・・のでは?と。

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
「神はサイコロを振らない」第二回「小早川伸木の恋」第三回