「ミューズの楽譜」に清水ミチコ出演夏の終わった庭

2005年08月17日

「シネマ坊主」松本人志

 これは図書館で借りてきました。
2002年2月発行。
日経エンタテインメント!(1999年6月〜2002年2月)での連載をまとめたものです。

 本を見たとき松ちゃんと映画というのが、えっ?と思ったのですが、
けっこういろんなジャンルの映画について述べています。
 アメリカ映画、フランス映画、インド映画、サスペンスや恋愛映画、ミュージカル、その他いろいろ。
スタッフが選んだろうけど、こだわりなく見るのって意外と難しいと思うから、
どの作品に対してもニュートラルな状態で見ることができるのはすごいです。

 そして、読んでまず思ったのは、
この人は自分の感想をちゃんと言ってるなということ。
自分も含めて、映画にしろ、ドラマにしろ、本にしろ、事前にいろんな情報が入ってきて、
自分で判断する前にその情報に影響されているところがかなりありますよね。
 でも、この人はそういうことにすごく敏感で、自分自身の感覚を保つということをすごく大切にしている人だとよくわかります。
そして、新しいもの斬新なものにも敏感に反応して、柔軟な心で認めることが出来る人なんだなあと思いました。

 おもしろいのは、これは映画館の指定席で高いお金を払って見たから星6個とか、
DVD借りて見たとしたら星8個とか見る時の状況も考慮して得点をつけているところ。
映画館に足を運んで高い金を払って見たものと、ビデオ屋で100円ぐらいで借りて
ソファに寝っころがりながら見たものとでは感想にも違いが出て当然でしょう。
 気づきそうで気づかなかった点です。

 でも、この本を読んで紹介された映画を見ようという気にはなりませんでした。
私だけかもしれませんが、映画のことを書いてあってもこの本は全編松本人志という人について語ってるように思えるのです。
『へー〜松ちゃんはそう思うんだ』とか『繊細な人なんだな』とか
松本人志の方に考えがいってしまうのです。
 
 たとえるなら、コロッケが五木ひろしのモノマネをしたとしますよね?
そうすると、コロッケによって完璧な世界ができているから、
もともとの五木ひろしが歌っているところを見る気は失せてしまう。
そんな感じでしょうか。(余計わかりずらい?)
 それだけ松本人志という人はキョーレツなんでしょう。
文章も独特な書き方(聞き書き?)というか、表現がでてきて映画評論家の書く映画論とは違う次元から見ているので、新鮮でおもしろいです。

 ちなみに松ちゃんが満点をつけた映画は

ロベルト・ベニーニ監督の「ライフ・イズ・ビューティフル」
ラース・フォン・トリアー監督の「ダンサー・イン・ザ・ダーク」

10点に近い9点は、
ギャスパー・ノエ監督(仏)の「カノン」と「カルネ」
ジュゼッペ・トルナトーレ監督の「マレーナ」

映画としては0点だけど1800円を払う価値は十分あるのは
「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」だそうです。

シネマ坊主2


松本人志のシネマ坊主
ライフ・イズ・ビューティフル
ダンサー・イン・ザ・ダーク
カノン
カルネ



このエントリーをはてなブックマークに追加

トラックバックURL

この記事へのトラックバック

1. マレーナ  [ 煮晩閃字 ]   2005年09月16日 03:38
さっきテレビで「マレーナ」やってましたね、おもわず観ちゃいました。この映画の俺の感想は松本人志さんの「シネマ坊主」とほとんど一緒です。女ってホンマにコワイわ、なんやろね、同性に対する嫉妬心というか非情な冷たさは。けど男もそんな女の目線がやっぱり気...ちーずさん、ほんとにそうですよね。次にどんな役を選ぶのか・・・期待してしまいます。

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
「ミューズの楽譜」に清水ミチコ出演夏の終わった庭